2003年08月21日(木) 23時30分
幹部殺害されたハマスが停戦破棄宣言、イスラム聖戦も(読売新聞)
【エルサレム=当間敏雄】イスラエル軍は21日午後、パレスチナ自治区ガザ市でイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部の1人、イスマイル・アブシャナブ氏(53)の乗った車を武装ヘリからミサイル攻撃し、同幹部を殺害した。
護衛2人も死亡した。このほか一般市民ら10人以上が負傷した。エルサレムで19日に起きた自爆テロに対する報復の「暗殺作戦」とみられ、ハマスは直ちに「停戦」の破棄と報復を宣言、パレスチナ新和平案「ロードマップ」はテロと報復の応酬で重大な危機に陥った。
ガザ市からの情報によると、別のイスラム原理主義組織イスラム聖戦の幹部もハマスに続いて「停戦」破棄を明言した。ハマスやイスラム聖戦は6月末、アッバス・パレスチナ自治政府首相の説得に応じ、3か月間の対イスラエル攻撃停止を宣言、「停戦」は和平を進展させるための枠組みとなっていた。
アブシャナブ氏はハマス指導部の中でも比較的穏健派で、報道機関の会見にも応じるなど数少ない「表の顔」として知られていた。イスラエル軍はさる6月10日、ハマスの別の最高幹部ランティシ師の車を武装ヘリから攻撃して負傷させたことがあるが、最高幹部の「暗殺作戦」は異例。
イスラエル政府は20日深夜の緊急閣議で、ハマスやイスラム聖戦に対する報復の軍事作戦を承認。イスラエル軍は21日早朝、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニンとナブルスに、戦車や装甲車などで相次いで侵攻していた。(読売新聞)
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