2003年08月20日(水) 00時00分
住基カードに独自機能は志雄町だけ住基ネットの本格稼働後に向けて設置された証明書自動交付機=志雄町役場玄関ホールで(朝日新聞・)
25日から2次稼働 県内の他自治体は模様眺め
住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の本格稼働(2次稼働)が25日に始まるのに伴い、個人情報を記録した住基カードに独自の行政サービス機能を付けることを決めたのは、県内の自治体では、総務省の実験事業に参加していた志雄町1町にとどまっている。「カードそのものの交付希望状況を見てから」などと模様眺めしている自治体が多く、同省が住基ネットの「目玉」としているカードは当面、単なる身分証になりそうだ。
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住基カードは住民票コード、氏名、生年月日などの情報が記録されたIC(集積回路)チップを内蔵。住民基本台帳法では、自治体は住民から申請があった場合、カードを交付しなければならない。
しかし、これだけの機能だとカードを持つ利点は、転入の際に転出証明なしで手続きが可能なことと、運転免許証などの代わりに身分を証明できることぐらい。このため同省は各自治体がカード利用を条例化すれば、ICの空き領域に各種証明書の自動発行などの機能を付け加えられることを強調。01年度から2年間、全国28自治体で同省の外郭団体が開発したシステムを使って実証実験を重ねてきた。
志雄町もこうした自治体の一つ。01年度から3年で計約1億7500万円を計上してこのシステムを導入。今年6月には「住民基本台帳カードの利用に関する条例」を制定した。すでに役場玄関ホールには、機能付きカードを入れると、住民票の写しや印鑑登録証明書などが自動的に出てくる交付機を設置している。
カードは機能の有無に関係なく500円で希望者に交付し、カードが行き渡る9月上旬ごろにはシステムを稼働させる予定。町総務課は「平日は業務が終わった後の午後7時まで、土、日曜日も午前9時から午後5時まで利用できるようにするつもりなので、行政サービスが向上する」としている。
一方、金沢市はいまのところ、住基カードにこうした機能を付加する予定はなく、来年度以降については検討中。理由について市市民課は「カードの交付を希望する市民がどのくらいになるのかがまずわからない。既にある住民票などの自動交付システムとの二重投資になる恐れもある」。
七尾市IT推進室は「合併を控えているうえに、いまの段階では費用対効果も確認できないので、全国の動向を見てから考えたい」としている。
総務省市町村課によると、7月10日現在で住基カードに独自機能を加えることを予定しているのは全国で約90自治体にとどまっている。
(8/20)
http://mytown.asahi.com/ishikawa/news01.asp?kiji=5500
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