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「阪神優勝」を「衣類、玩具」の2分野で商標登録したのは衣料品販売の田沢憲仁氏(40)。
「Xデー」に向け、盛り上がる虎党だが… 決裂を決意した田沢氏は「いつか必ず優勝すると、選手を信じ、商標を出願した。当時、弁理士から『金を捨てることになる』、仲間からは『そんなゴミ、誰が買うか』といわれながら、やっと手に入れた商標。家族の次に大切。それが優勝が決まりかけたら、球団側は『譲渡しろ!』。しなければ、『無効審判だ』『損害賠償を請求する』とはどういうことなんですか」と、球団側の対応に不信感を露にする。
これまでの交渉で、田沢氏は一貫し、「球団が『阪神優勝』を垂れ幕などで使用してもクレームは一切つけない」と伝えてきた。田沢氏の要望は一つで、「愛着がある商品を手放したくない。今後も私の使用権を認めてほしい」というもの。
だが、球団側の対応は強硬で、譲渡の対価を約100万円とし、「優勝までの決着」を強調。「これ以上一歩も引けない」と迫ったという。その後も、球団は「待てない。今月22日以降、『決裂』で発表する。無効審判を起こし、商標を抹消する」と高姿勢だったことで、「決裂やむなし」を決意したのだ。
事の発端は平成14年4月の登録公開直後にさかのぼる。球団側弁理士が田沢氏に商標譲渡を求める書面を送付。球団側は約50万円での譲渡を求め、「合意できなかった場合、異議申し立てを行う」としてきた。
ただ、その後、球団側からの連絡がなかったため、田沢氏は「阪神優勝」ロゴ入りTシャツ1000枚を作製。
「1000円で全く売れず、500円に値下げして売れたのが50枚。大赤字で新たな商品開発に乗り出せず、15年の商品製作は仲間の業者にまかせた」。今年は複数の業者が新デザインのTシャツの他、半てん、靴下などの商品を揃えた。
ところが、阪神が独走態勢に入り、優勝が現実味を帯びた矢先の7月上旬。突然、球団側から内容証明郵便が届いた。
「1年2カ月もたって『何を今さら』と疑問に思った。郵便は、私が『阪神優勝』の衣類を販売するのは不正競争防止法で、法的措置をとる前に商標を譲渡してほしいとの内容だった」
「球団が『阪神優勝』の商標を登録していなかったことや、昨年の段階で即座に法的措置に出なかったことは、選手や監督が優勝をつかむと信じなかったからではないか。それを1年以上も“放置”した後、『よこせ』とは…。球団と私と、どちらが本物の『虎ファン』なのですか」
結局、今回の問題は「Xデー」までの解決は不可能となり、決着は法廷の場にもつれ込むことになりそうだ。
一連の“騒動”で田沢氏の「猛虎愛」はどうなったか。田沢氏は「星野監督と選手は今も大好きですが、球団のファンではなくなった。こんなことになるなら、花形満ではなく、星飛雄馬に憧れていればよかった…」と話している。
ZAKZAK 2003/08/18