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スーパーや百貨店を母体とする流通系クレジットカード会社の親会社離れが加速している。親会社のライバル企業のカードの発行にとどまらず、資本提携やオペレーション業務の受託など、踏み込んだ形が増えている。携帯電話やインターネットの通信料金や高速道路のETC(自動料金収受システム)などカード決済分野が拡大する一方、競争は激しくなり、「親に頼ってはいられない」状況のようだ。
ダイエー系のオーエムシーカードは、9月からイトーヨーカ堂系の「IYカード」からカード即時発行業務を受託する。「ダイエーオーエムシー」から社名変更して丸1年。最近は先行するシステム開発を武器に受託業務に力を入れており、親会社のライバルでも取引はためらわない。
経営再建中のダイエーの店舗網が縮小する中、提携先の拡大を進めた結果、03年2月期のカードショッピング取扱高に占めるダイエー関連の比率は35%まで低下した。舟橋裕道社長は「04年度には30%まで下げるつもりだ」と意気込む。
セゾングループのクレディセゾンは、経営再建中の大株主・西武百貨店をしり目に、02年度の経常利益510億円とカード業界で首位を保つ。西武とそごうの経営統合による会員数拡大に加え、グループを超えた提携が寄与している。
昨夏、クレディセゾンが合弁会社を立ち上げて手を結んだコンビニは旧セゾン系のファミリーマートではなく、ローソン。会員の審査からカード発行、与信管理までの業務を受託している。
10月からは石油元売り系カード最大手の「出光クレジット」と業務提携し、50%の出資と業務受託を計画中だ。林野宏・クレディセゾン社長は「生き残るためには規模の利益の追求とコスト削減が欠かせない」と話し、提携拡大が業界再編への布石と位置づける。
イオン系のイオンクレジットサービスは海外に手を広げる。進出した香港やタイ、台湾では地元の百貨店やガソリンスタンドチェーンなどとも提携した。海外部門の営業収益は、03年2月期で全体の26%を占めるまで成長した。
クレジット各社は、現在、収入の柱であるキャッシング業務の先行きに懸念を強めている。貸し倒れ率の上昇や銀行系の参入などで競争激化が見込まれているからだ。また、カードのIC化による多大なシステム投資のコストも見込まれる。親会社に頼れなくなるなかで、提携による規模拡大で経営基盤を強化せざるを得ない面もある。(08/18 20:25)