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今年六月にオープンした「行燈」(台東区日本堤)。鉄筋五階建てガラス張りの外観とは対照的に、内装は「和」の雰囲気が漂う。六年ほど前から外国人旅行者を受け入れている「NEW KOYO」(同)を経営する帰山博之さん(49)、敏子さん(46)夫妻が新しく開いた。
「日本文化を感じてほしい」と敏子さんが企画し、調度品は骨とうでそろえた。男女別シャワーなど簡易宿泊所で課題だった設備面も充実。各部屋には、インターネットに常時接続できるジャックやDVDプレーヤーまで完備している。
夏休みを利用してアメリカから来たマシュー・ショルダーさん(21)は「安いし、スタッフも親切」と満足げ。NEW KOYOのリピーター客も多く、予約はひっきりなしという。
東京都山谷対策課によると、東京オリンピック前年の一九六三年に二百二十二軒あった簡易宿泊所は、百七十六軒(今年三月末現在)まで減少。利用者も約五千五百人とピーク時の三分の一程度に落ち込んでいる。
帰山さんは「稼働率が下がり、出張のビジネスマンらを狙ったが、『山谷』と聞くと敬遠されてしまう。それなら外国人を、と始めた」。宣伝は八カ国語対応のホームページ(HP)と口コミだけだ。
追い風になったのがW杯。外国人サポーターらによって、一泊二千−三千円台で泊まれる簡易宿泊所の評判が、世界中に広まり、外国のガイドブックにも紹介されている。
山谷の街では、外国人旅行者がコンビニエンスストアで買い物する姿も日常光景になった。
今年五月には、日本建築の視察で来日した南米ウルグアイの大学生百人余りの団体が、「ホテル寿陽」(同区清川)、「ニューあづま」(同)など四軒に分宿、十日間滞在した。寿陽では、中国、韓国などからの宿泊客も増え、今では七割前後が外国人旅行者という。
寿陽支配人の町田敏彦さん(48)は「外国人を受け入れる簡易宿泊所はまだ少ないが、今後は二極分化していくのでは」と話している。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20030818/eve_____sya_____002.shtml