2003年08月18日(月) 12時03分
<新種ウイルス>企業からの感染報告続々と 経産省(毎日新聞)
世界的に感染が広がっているコンピューターウイルス「ブラスター」について、企業の感染例がお盆休み明けの18日朝から、経済産業省情報セキュリティ政策室に寄せられている。企業からの相談はこれまでほとんどなかったが、同省は「予想通り、連休明けに企業の感染例が増えそうだ」と注意を呼びかけている。
同室によると、同日午前9時ごろからの約1時間で、計50件の感染報告などが寄せられた。うち約10件が企業からで、「感染してしまった」「対策を教えてほしい」といった内容が大半。感染ルートは現時点ではいずれも不明だという。
また、ネットワークセキュリティー会社の大手「日本ネットワークアソシエイツ社」(東京都渋谷区)には、同日午前9時半までに、関東圏に複数店舗展開する量販店から感染報告があったほか、企業から5件の相談が寄せられているという。
セキュリティ政策室は、企業の感染パターンとして(1)不正なアクセスの侵入を事前に食い止める装置「ファイアーウオール」で、ブラスターの侵入を阻止する設定がされていない(2)休み中にパソコンを自宅に持ち返り、インターネットに接続して感染したのを知らずに会社のLAN(情報通信網)に接続した——などをあげている。
9連休明けとなった日産自動車の本社(東京都中央区)。18日朝、出勤した社員に注意を喚起するため、各部署の入り口ごとにA4サイズの張り紙が掲示された。パソコンを自宅に持ち帰った人に対してはウイルス感染の可能性があるので、ネットワークにつながない▽社内に置いたままの場合はパターンアップしてからの使用——を呼び掛ける内容。この日に備え、情報システム部門は16、17日の休みを返上したという。
各部署ではOAリーダーが、修正ソフトの組み込みやウイルスチェックを手助けし、出勤から数分で各自が対策を済ませたという。広報室では「張り紙は異例のこと。いまのところ社内LANを通した異常はなく、ほっとしている」と話している。【大治朋子、川俣享子】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030818-00001031-mai-soci