2003年08月17日(日) 00時00分
低線量放射線の長期被曝寿命影響(朝日新聞・)
400倍でメス20日短く 環境科技研マウス実験 環境科学技術研究所(六ケ所村)はこのほど、低線量放射線の長期被曝(ひばく)が寿命に与える影響に関する調査の結果を発表した。4千匹のマウスを使い、日常生活で一日に浴びている自然放射線被曝量の8千倍、400倍、20倍相当のガンマ線をそれぞれ照射するグループと、まったく照射しないグループに分けた。8千倍では照射しない場合より100日以上寿命が短くなったが、20倍では影響がなかった。400倍ではメスの寿命だけ約20日間短縮した。
これまで低線量放射線の長期被曝が寿命に与える影響は本格的に研究されておらず、高線量放射線の実験で推測していた。同研究所は県の依頼で年度に研究を始めた。
オスとメスを2千匹ずつ、それぞれ4グループに分類。1グループにはガンマ線をあてず、他の3グループには、日常生活で一日に浴びている自然放射線被曝量の約8千倍の20ミリグレイ、約400倍の1ミリグレイ、約20倍の0・05ミリグレイを400日間毎日あてて、寿命を比較した。
同研究所は結果について「国際放射線防護委員会(ICRP)が定める一般人の線量限度(年間1ミリシーベルト)が適正であることが証明された」と話している。
今後は放射線をあてたマウスの子孫への影響のほか、ほとんどのマウスの死因だったがん発生のメカニズムも研究していくという。
(8/17)
http://mytown.asahi.com/aomori/news02.asp?kiji=5043
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