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公正取引委員会は独占禁止法の改正案の骨格を固めた。水道メーター談合など続発する独禁法違反事件の取り締まりを強化するため、裁判所の令状に基づく強制調査権限を導入するほか、違反行為を内部告発して改善した業者には課徴金を安くする減免制度を新設する。また、課徴金の対象を新規企業の参入妨害にまで広げるとともに、金額を大幅に引き上げる方針だ。課徴金制度を導入した77年以来の抜本改正で、早ければ来年の通常国会に提出する。
談合や価格カルテル事件では、証拠隠滅などの恐れが強い。令状なしに行う現在の公取委の行政調査では、関係者がわざと調査受け入れを遅らせても、それを防ぐ手だてがなかった。このため、改正案では、国税庁の査察や証券取引等監視委員会の強制調査のように、裁判所の令状に基づく強制調査権限を導入することにした。集めた資料を使って刑事告発することも容易になる。
違反行為に加わった業者が公取委に情報を提供し、その行為をやめた場合など一定の条件付きで課徴金を減免する。すでに内部告発による不祥事発覚は相次いでおり、減免制度の導入で、公取委の調査能力が大幅に強化される見通しだ。
課徴金も大幅に見直す。談合の場合、現在は最大で受注額の6%を課徴金としているが、摘発を受けた後も違反を繰り返す企業が多い。公取委は、課徴金の低さが原因とみており、現在の3倍近い引き上げが必要との意見も出ている。引き上げられれば、91年に現在の水準になって以来。
さらに、課徴金の対象となる違反行為を、これまでの入札談合と価格カルテルに加え、新規企業の参入妨害にも広げる方針だ。通信や電力分野を中心に新規参入を妨害する行為が増える可能性があるからだ。
政府はすでに、02年に企業への刑事罰の上限を1億円から5億円に引き上げている。今年3月に閣議決定された政府の規制改革推進3カ年計画にも、課徴金の引き上げなどを含む同法の抜本見直しが盛り込まれていた。
公取委は、内部の研究会で10月に改正案の最終案をまとめ、一般から意見を聞く予定。ただ、独禁法強化に、経済界は強く反対しており、調整は難航するとみられる。(08/17 03:00)