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2003年08月16日(土) 03時00分

暗証番号:UFJ銀行、窓口業務でも実施へ 不正引出し防止毎日新聞


 盗難通帳による預貯金の不正引き出し問題で、大手都銀のUFJ銀行(本店・名古屋市)が、暗証番号による本人確認を窓口業務でも実施する準備を進めていることが15日、分かった。不正引き出しで印影偽造の手口が横行していることから、被害者から印影照合に替わる新たな本人確認方式が求められていた。同行は希望する個人客を対象に今年度中にも実施する方針。窓口確認で暗証番号を本格的に導入するのは全国初で、他の金融機関にも影響を与えそうだ。

 同行は、01年5月から通帳に照合用の印影を残す制度(副印鑑)を廃止するなどの対策を取ってきた。しかし、副印鑑の廃止は更新や新規発行の通帳に限られ、十分な効果が上がっていなかった。

 このため行内で新たな対策を検討。口座を開設する顧客の大半がATM(現金自動受払機)利用のための暗証番号を所持していることに着目し、窓口での本人確認に応用することにした。

 当面は、個人名義の普通預金の支払いと解約を対象にするが、将来的には定期預金にも拡大する方針。また、顧客の利用しやすさを考え、暗証番号を求めるのは一定金額以上の取引とし、顧客がその金額を指定できる選択制も検討している。

 導入にあたっては、顧客の重要な個人情報である暗証番号を保護するためのセキュリティーに最大限配慮。窓口では、第三者が見えないようにカバー付きの入力装置を備え付け、さらに行員を介さずに、利用者が入力する暗証番号をコンピューターが自動照合するシステムで実施するという。

 UFJ銀行広報部は「暗証番号はお客さま本人しか知り得ず、確実性が期待でき、犯罪防止にも役立つ」としている。【江田将宏】

 ◇「預貯金過誤払被害対策弁護団」事務局長の野間啓弁護士(東京弁護士会)の話 偽造などが容易な印影の照合や健康保険証の提示では本人確認にならず、UFJ銀行の今回の対応は評価できる。金融機関の多くがいまだに「印影照合で十分」としているが、被害者の痛みに向き合わない前例主義は通用しない。

[毎日新聞8月16日] ( 2003-08-16-03:00 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030816k0000m040118000c.html