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2003年08月14日(木) 15時20分

ヤミ金融収益、口座使わず現金で持参 組織性隠す狙いか朝日新聞

 山口組系暴力団五菱(ごりょう)会系の元幹部梶山進容疑者(53)らによる出資法違反事件で、ヤミ金融組織の内部では末端店舗の収益を上部に上げる際、口座振り込みではなく現金で持参させていたことがわかった。店長らが逮捕されても組織実態を明かさないよう戒める「想定問答集」があることも新たにわかり、警視庁は、組織的な違法営業の発覚を防ぐために梶山容疑者らが指示していたとみている。

 これまでの調べでは、「会長」の梶山容疑者を頂点とする組織は4段階で構成されている。店舗の上に複数の店舗を統括する「センター」がある。複数のセンターをまとめるのが「社長」で、元組員の松崎敏和容疑者(34)=出資法違反容疑で逮捕=もその1人。会長は社長グループの上で、すべてを取り仕切っていたとされる。

 店舗と客の間の現金のやり取りは、金融機関の口座を使っていた。電話やダイレクトメールで全国的に勧誘しており、来店させて手続きする手間を省くため、とみられる。ところが店舗の店長がセンター、センターが社長にそれぞれ収益を上げる際には現金持参が徹底されていた。社長から梶山容疑者へも同じ方法だったとみられる。

 複数の店長は事情聴取に「センターの責任者から『収益は必ず現金で持って来い』と指示されていた」と話している。毎日、センター事務所など指定された場所に運んだという。

 捜査員との想定問答集は一連の家宅捜索で見つかった。店の開業資金の原資を問われたら「自分で用意した、と答えよ」、法定金利を知っているかと聞かれたら「東京都の担当者に教えてもらった」などと虚偽の供述をするよう求めていた。

 またヤミ金融組織について質問されたら証言を拒むようにと指示され、「実態をしゃべったら家族に危害が及ぶ」などと脅されていたという。(08/14 15:18)

http://www.asahi.com/national/update/0814/014.html