2003年08月13日(水) 20時06分
ネットトラブル回避には 不正アクセスは犯罪 府警HPで対策を紹介 /京都(毎日新聞)
パソコンの普及でインターネットが身近になった半面、利用者がネット犯罪に巻き込まれる危険性も年々高まっている。子供や学生らが自宅でパソコンに触れる機会が増える夏休み。実際のネット犯罪の捜査に携わる府警ハイテク犯罪対策室などに、家庭でのトラブル回避法を聞いた。 【横田美晴】
◆トラブル事例
出会い系サイトに自分の電話番号が掲載された▽読んだ覚えの無い電子メールが「既読」になっていた▽ネットオークションで知らない商品が自分名義で出品されている——。ハイテク犯罪対策室に実際に寄せられた相談事例だ。いずれも、自分のIDなどが何者かにネット上で無断使用されているとみられる。
◆不正アクセス禁止法
ネット上でのID・パスワードの無断使用は、不正アクセス禁止法に違反する犯罪だ。99年の施行から昨年までで、既に全国で117人が検挙されている。
中には京都府警が今年5月に逮捕した男(40)のように、100人ものパスワードを割り出しては販売を続けた悪質な「ID屋」もいた。ID購入者が更に「ネットオークション詐欺」などを謀ることも十分考えられ、二次犯罪に広がる恐れは強い。
◆利用者自身の管理
不正アクセスは、被害者側の情報管理の甘さも大きな原因の一つだ。
同対策室によると、被害者のパスワードには、IDの一部をそのまま使う▽数字などの単純な組み合わせ▽電話番号などから推測しやすいもの——などが非常に多いという。また、パスワードを忘れた時の本人確認のための「質問」と「答え」を容易に推測できるものに設定したり、全く同じ言葉にしたケースまである。
自分が忘れないために単純なパスワードを設定しがちだが、加害者はそこを狙う。まずは利用者自身が個人情報を適切に管理する工夫が必要だ。
◆加害者にならない
「警察が現実に来るなんて」。不正アクセスの容疑者には、実際の捜査員に驚く者が少なくないという。加害者側に罪の意識が低いのが特徴で、普段はごく真面目な学生だったりする。自宅のパソコンで出来る現実感の希薄さは、誰でも軽い気持ちで加害者になりうる危険性をはらむ。
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府警のホームページ(http://www.pref.kyoto.jp/fukei/)では全国に先駆け、子供向けにネット犯罪対策を紹介するページも開設している。同対策室は、「保護者が子供のネット環境を知るいい機会。夏休み中に親子で一緒に楽しんでみては」と話している。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030813-00000001-mai-l26