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【180円で参戦!】
国民食ラーメンをめぐって、格安チェーン店が今、激しい火花を散らしている。
大阪府を中心に100店舗を展開、年間売り上げ約30億円の「ラーメン一番本部」(大阪市)が、180円の「びっくりラーメン」で、東京に“侵略”してきたのだ。
「味に秘密はありませんが、麺は細くコシのあるものをとこだわっています。関西では、うどんやそばが200円以下は当たり前。ラーメンにできないはずがないと考えたのが、180円ラーメン誕生のきっかけ」
昨年7月、東京都青梅市に都内1号店を出店。現在は4店を構え、「大阪周辺には約60店ありますが、関東のパイは大阪の3倍と考えており、関東に200店を構えることも十分可能。来年中にも全国200店を達成したい」と鼻息が荒い。
【390円のこだわり】
「日高屋」 これを迎撃するのは都内を中心に59店の「日高屋」を展開する「ハイデイ日高」(さいたま市)で、「和の色彩をイメージし、飽きがこないように日々改良を加えています。1回食べたら『しばらく食べたくない』では困るので…」。
「中華そば」(390円)は細麺であっさりスープ、トロリとしたチャーシューが特長。昨年6月に1号店を新宿駅東口にオープンして以来、山手線、中央線沿線の駅前を中心に出店。年商は約60億円で、「来年2月末までに90店にするのが目標。牛丼チェーンのように『うまい・安い・早い』で認知されたい。ライバルは強力ですが、フェアに戦いたい」。
【目標1400店】
全国で161店を展開し、「夢は10〜15年後に1400店」との野望を明かすのは、「幸楽苑」(福島県郡山市)。都内には平成12年の「町田木曽店」(町田市)を皮切りに8店。
「中華そば」(390円)はあっさりながらもコクのあるスープが特長で、「子供から年配の方まで万人ウケする味にした。ラーメンは日本を代表する『国民食』でありながら、大衆価格ではなかった」。
売り上げが約153億円(15年3月期)の同社では「組織力の優位」を強調し、「価格は材料を自社工場で生産するなどのシステムを構築しないと維持できない。味は他社がマネできても、システムは簡単に築けない」と自信をのぞかせる。
【300円以下の攻防】
390円で激突する「幸楽苑」 「日高屋」と「幸楽苑」のバトルは熾烈を極め、都心の神田神保町では白山通りをはさみ、日高屋のほぼ正面に幸楽苑が今年5月に出店。日高屋は対抗手段として290円の「納得ラーメン」の販売に踏み切るなど体力勝負の様相だ。
こうしたなか、名古屋など東海地区を中心に302店の「スガキヤ」を展開する「スガキコシステムズ」(名古屋市)は「名古屋地区で実験段階の店がある。成功すれば東京、大阪にも一気に進出したい」と大きく動き始めた。こちらは、白濁スープのラーメン(270円)を主力として、全国制覇をもくろむ。
【2極化】
過激になる一方の丼をめぐる大戦争は今後、どうなるのか。
「日本一ラーメンを食べた男」として知られるラーメン研究家の大崎裕史氏は「不景気を背景に低価格志向が広まるなか、他店のラーメン1杯分の値段でギョーザやチャーハンをセットにできるのが人気の理由。今後、業界は低価格のチェーンの出店が続く一方、質を追究した専門店に2極分化していくだろう」と分析している。
ZAKZAK 2003/08/11