2003年08月09日(土) 03時28分
北海道で販売の豚レバー2%からE型肝炎ウィルス検出(読売新聞)
北海道内で市販されている豚レバーの約2%から、E型肝炎ウイルスが検出された。道内の病院では、患者の9割が発症前に豚レバーを食べていたことも判明。調査した岡本宏明・自治医大教授らは「通常の豚肉は心配ないが、レバーは不十分な加熱で食べると、感染する恐れがある」と警告、厚生労働省も実態調査を検討している。
岡本教授らが、スーパーで購入した豚レバー363品を分析、7品(1・9%)からE型肝炎ウイルスを検出した。遺伝子を詳しく分析すると、7つのうち3つは、過去に国内で患者から検出されたウイルス遺伝子と酷似し、100%一致する例もあった。
一方、道内で2001—02年に発症したE型肝炎の患者10人に質問した結果、9人が「豚レバーを食べた」と答えた。このうち数人は「あまり加熱しなかった」といい、同じレバーを十分加熱して食べた家族は発症しなかった。また、E型以外の肝炎の患者22人にも尋ねたが、発症前に食べた人はいなかった。
岡本教授は、豚の大半が飼育中に感染し終え、生後6か月の出荷期には血中からウイルスが消えるのを確認している。血が流れてくるだけの筋肉と異なり、肝臓はウイルスの増殖場所のため、出荷期まで残っていた可能性があるという。
E型肝炎は、主に途上国で流行するが、日本国内でも広がり、劇症化による死者まで発生していることが昨年明らかになった。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030809-00000201-yom-soci