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新薬の開発を加速させようと、インターネットで臨床試験(治験)の参加者を募る動きが活発になっている。規制緩和を追い風に、医師による治験への協力者を集める専用サイトも近く登場。先行する米欧の製薬大手や医療業界に追いつきたい考えだ。
治験は、厚生労働省からの承認を得るため、新薬の安全性や効果を確かめるのが目的。製薬会社にしか認められていなかったが、7月30日施行の改正薬事法で医師主導の治験が認められた。
NEC子会社のNECインターチャネルは、医師による治験への参加者を募るサイトの運営を近く始める。治験の内容や募集する患者の条件などを告知。応募者にはネット上で現在の症状などを聞く。条件に合う患者には医師の連絡先を伝える。医師が治験情報を掲載するのは無料で、サイトの運営費は製薬会社などの広告費でまかなう考えだ。
サイトには、様々な治験の内容が表示されるので、「治療薬や治療法に関する情報を求めている患者に役立つはず」(事業開発本部の長嵜和子プロデューサー)という。サイトに掲載する治験数は今後3カ月で100件程度を見込む。
新薬開発は米欧の優位が目立つ。費用は巨額で、画期的な新薬には数百億円かかると言われる。製薬会社は採算が見込めないと、治験に二の足を踏みがちだが、海外で承認されて国内では未承認の薬を患者が望むケースも増えている。医師主導なら、こうした薬の治験も活発になると期待されている。
従来の製薬会社が行う治験では、NECインターチャネルが00年9月からサイトを運営。がんの治療薬など21件の掲載実績がある。参加希望者向けに専用コールセンターを設置して看護師を待機させ、治験を実施する製薬会社のコスト減を図っている。
ほかにも、治験の事務処理を請け負う日本メディカル・ヴィタが00年9月から、イーピーエスが今年2月から治験情報サイトを運営するなど、広がりを見せている。(08/09 08:35)