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獅子の縄張りに虎は入ってくるな! 簡単に言えば、やくざの縄張り争いのような低次元のトラブルだ。
確かに野球界にもフランチャイズ制度があり、縄張りがある。埼玉県は西武の保護地域だ。
法的にいえば、虎が獅子の縄張りに入るには、あいさつが必要、拒否されたら、断念するしかない。
そんな常識的なことすらしていなかった阪神フロントにはあきれるばかり。騒ぎになってから西武フロントの了解を得ようとしても、虫のいい話。
ルール無視して強行突破しようとしたのなら、ケンカを売ったわけで、威勢がいいが、実際は無知というべきだろう。
1人1000円の入場料のパブリック・ビューイング(PV)。26、27日の阪神vs巨人戦を埼玉スタジアムで生中継する主催者はJTB。
猛虎人気便乗商法で、阪神サイドは黙っていてもお金が入る。だから、JTBに二つ返事でOK。主催者でないから、西武に対する事前の了解を取ることなど、頭にもなかったのだろう。
今回の事態が表面化しかかったときに、周囲から「阪神として当然、西武の了解を事前に取っているんでしょうね」と、念押しされた阪神フロント首脳は絶句したというのだ。
ルール無視の確信犯でなく、ルール無知のお粗末の一席。それでは、「西武が激怒するのは当然」ということになるのか。
野球協約上は、西武フロントが阪神に噛み付いたのは当然だが、反応があまりにもヒステリックすぎる。
「試合のない日ならともかく、ウチがダイエーと優勝争いの試合をする日に冗談ではない」
こう声高に、鬼の首、いや虎の首を取ったかのようにアピールする西武フロントの姿は痛ましい。
威猛々しい裏には、猛虎大旋風に戦々恐々とする本音が見え隠れするからだ。
優勝争いしている、西武ドームでの西武vsダイエーよりも、埼玉スタジアムでの阪神vs巨人戦生中継の方がお客さんが多かったらメンツ丸つぶれ。
そんなプライドを意識しての猛虎攻撃では−と勘ぐりたくなるほどヒステリックだ。
28日の阪神vs巨人戦を同じように大阪で吉本興業がPVするが、近鉄は静観の構え。
この日は大阪ドームで試合がないこともあるのか、「大阪でプロ野球が盛り上がれば、ええこっちゃないですか」と近鉄フロントは大人の対応をみせているという。
そう、プロ野球人気の危機がささやかれている今こそ、共存共栄が必要だ。
同じ埼玉でパ・リーグの獅子vs鷹の生デスマッチと、セ・リーグの猛虎vs巨人の生中継が見られる。結構なことだ。
そもそも阪神ファンや巨人ファンが西武ドームへ足を運ぶことなど皆無なのだから、営業妨害などになりようがない。
阪神フロントのお粗末なルール無知に対しては、罰として西武フロントが金銭的に妥当な慰謝料をもらえばいいだろう。
(夕刊フジ編集委員・江尻良文)
ZAKZAK 2003/08/06