2003年08月06日(水) 06時53分

県住宅供給公社の元部長、顧客情報持ち出す（熊本日日新聞）

　県住宅供給公社の元販売担当部長（６０）＝熊本市＝が、同公社に分譲地購入を申し込んだ個人の情報を書き写して持ち出し、住宅メーカーをあっせんしようとしていたことが五日、分かった。元部長は事実関係を認めており、同公社は公社関係施設への立ち入りを禁止するとともに、今後の対応を検討している。

　同公社によると、持ち出されたのは二〇〇二（平成十四）年十一月から同公社が分譲を始めた菊池郡菊陽町の「光の森団地」に購入を申し込んだ三人分の個人情報。

　元部長は六月三十日午後、同団地内の総合案内所を訪れ、カウンター内に入り、机の上にあった購入申込書のファイルから、住宅メーカーが未決定の三人分の名前と電話番号を書き写した。七月一日夜、三人に「まだメーカーが決まっていないのなら紹介する」などと電話したという。

　このうちの一人が不審に思い、県住宅課に連絡。県から報告を受けた同公社が元部長から事情聴取したところ、事実を認めて「あっせんすることで住宅メーカーからの謝礼を期待した。特定メーカーとの事前約束などはない。メモは捨てた」と話した。

　購入申込書のファイルには四十四人分の名前や住所、電話番号などが記入されているが、住宅メーカーが決まっていないのは三人だった。

　元部長は同公社に三十六年間勤務し、今年三月に定年退職した。元部長が情報を書き写した際、総合案内所には女性職員二人がいたが、電話応対や接客中で気付かなかったという。

　同公社は「個人情報が漏れることは絶対にあってはならないことで、大変申し訳ない。早急に管理マニュアルをつくり、職員に情報管理の徹底を図りたい」と話している。

http://kumanichi.com/news/local/main/200308/20030806000040.htm