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住民基本台帳ネットワークが本格的に稼働すれば、住民票の写しが全国どこの市町村でも取れるなど、住民にとって便利になる。やがては、大半の行政手続きで、住民票の写しの提出が不要になる。
その一方で、個人情報漏れに対する不安も、一部の市民団体などから繰り返し問題提起されている。
住基ネットの情報は、氏名、住所、性別、生年月日の四情報に限定され、情報提供を受ける行政機関や利用目的を法律で制限している。
すべての通信を専用回線で結んだ上に、通信相手の認証や通信に暗号のカギを使うため、盗聴による暗号解読は不可能と政府は説明する。
それでも個人情報漏れの不安がなくならないのは、一部の自治体における過去のずさんな情報管理にも原因の一つがある。
政府は、住基ネットの安全性を強調するが、それでも各自治体における個人のプライバシーにかかわる情報の取り扱いには、とくに厳しい管理体制をとるべきだ。
市町村が管理する住民情報のオンラインシステムには、四情報以外にも本籍地や納税金額などの個人情報が入力されている。本籍地や納税金額などは、他人に知られたくない個人のプライバシー情報だ。
こうした個人情報が、誤って流出することのないよう、各自治体の情報管理体制を厳しく見直す必要がある。自治体は、IDカードやパスワードで、情報の利用者を制限しているが、この規制がいいかげんだと、外部に個人情報が流出する危険がないとはいえない。各自治体は情報管理体制を再チェックすべきだ。
個人情報保護法は制定されたが、自治体の約三分の一は、個人情報保護条例をまだ設けていない。一日も早く条例を制定して、住民の不安をなくす必要がある。
個人情報保護条例に盛り込むべき内容は、個人の信条、思想にかんする情報の収集の禁止と、個人情報の目的外使用を厳しく制限することが中心になる。
さきごろ、一部の自治体が、防衛庁の自衛官募集のために四情報以外の保護者や電話番号、職業などの情報を集めて提供していたことが表面化し、国会で問題になった。
政府や自治体は、情報管理体制をより厳しくすることで、住基ネットに対する信頼を確立すべきだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20030805/col_____sha_____002.shtml