2003年08月02日(土) 00時00分
システム点検に不備 電子投票トラブル(朝日新聞・)
市議選の電子投票で、投票の中断や投票数が食い違うトラブルが起きた岐阜県可児(かに)市の選挙管理委員会は1日、原因の調査結果を発表した。光磁気ディスク(MO)の読みとり機が過熱して投票機が停止したのは、開発した富士通フロンテックの実証実験が不十分だったためとわかった。投票所に派遣されていた機器レンタル会社ムサシ(同・東京都中央区)の社員による投票機の操作ミスで、結果的に投票権のない社員が白票を投じた形になったケースもあり、市選管の業者任せの姿勢も浮かび上がった。
電子システムは、投票データの劣化を防ぐため、MOの読みとり機の温度が約40度を超えると、保護装置が働き、投票機が停止する仕組みになっていた。富士通フロンテックは、投票機に読みとり機専用の冷却用小型扇風機をつけていたが、その位置を変更したため温度が上昇、投票機が停止した。同社は今年4月末の設計変更後、影響を確かめるテストをしていなかったという。このトラブルで全投票所で10分〜1時間15分投票が中断した。
また、トラブルとの因果関係は不明だが、複数の投票所でタッチパネル画面の感度が鈍くなる現象が発生。有権者からの相談を受けたムサシの社員が操作を誤り、1人分を白票にしてしまったことも判明した。この有権者は後に別の投票機で投票していたという。同市選管はほかに5人分について同様の操作をしていた可能性もあるとしている。
市選管は、当日のトラブル情報の収集もムサシの社員に任せていた。
システム上の数値と市選管が集計した「投票者数」が食い違っていた問題では、入場券や仮投票分を集計し直した結果として、選管の集計数値を当初の「4万1215人」から「4万1213人」に修正した。
(8/2)
http://mytown.asahi.com/gifu/news02.asp?kiji=2591
|