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2003年08月01日(金) 16時38分

toto背水の陣 コンビニ取り扱い、20日解禁朝日新聞

 サッカーくじ(愛称toto=トト)の人気後退に、ブレーキがかからない。全国販売が始まった01年の第1ステージは1回平均26億円を売り上げた。ところが、今季はJ1優勝決定が今週末の最終15節にもつれこむ熱戦なのに、その4分の1どまり。起死回生を狙って20日から、かつてPTAの反対で「禁じ手」とされたコンビニエンスストアでの販売が解禁される。

 東京・銀座5丁目の一等地にあるtotoPRショップ銀座。トトの全国発売がスタートした01年、二つの窓口に長蛇の列ができた。「1日3000枚の発券があった。今は多い日でも1000〜1500枚」と大出博宣店長は懐かしむ。

 この年の1回平均売り上げは約21億円、年間604億円だった。昨年は日韓共催のワールドカップ(W杯)があったのに、同約10億円、年408億円と落ち込んだ。

 テコ入れを図って、5試合10チームの得点を当てる「トトゴール」を今季から導入した。が、勝敗を予想するトトとトトゴールを併売しても、1回平均約6.8億円。直近の第14節までの合計も109億円どまりだ。

 くじ導入はスポーツ振興財源の確保が目的。しかし、じり貧が続き、スポーツ団体などへの助成金も02年度の約69億円から、03年度は約27億円へ減った。日本体育協会の岡崎助一事務局長は「市民を対象としたスポーツ教室などで、規模縮小や中断する事態が出てくる」と困惑する。

 なぜ売れないのか。ギャンブリング・ゲーミング学会の会長を務める谷岡一郎・大阪商大学長は「日本人は推理より宝くじが向いている。トト購買層は教育、所得水準が高い人が主。スポーツの結果を推理する文化が広く根付くには、まだ10年かかる」と話す。

 コンビニをめぐっては、日本PTA全国協議会などが「中高生がひんぱんに立ち寄る。ギャンブルは青少年に悪影響がある」と猛反対。98年、当時の文部省が「当面は売らない」と決めた経緯がある。

 しかし、今年3月末の中央教育審議会スポーツ・青少年分科会では、あっさり了承された。PTAが組織だって反対の声を上げる間もないほどの「早業」だった。

 トト発売元の特殊法人「日本体育・学校健康センター」によると、既存の店は約7100店。コンビニを組み込めば販売網はぐんと広がる。「購入者の利便性を重視し、昨年から文科省に要望していた」と坂口力スポーツ振興投票部長。

 20日から売り始めるのはローソン。来年3月にファミリーマートも参入する。ローソンの約7600店、ファミリーマートの約6千店が加われば、「3〜4割は売り上げが伸びるのでは」と谷岡さんは予想する。文科省企画体育課は「サッカーくじによる青少年の問題は一件もなく、当初の懸念はない」という。

 くじを買えるのは19歳以上。PTAは、写真入り身分証明書で年齢を確認するなど「厳格な取り扱い」を文科省に要望している。

(08/01 16:13)

http://www.asahi.com/sports/update/0801/078.html