2003年07月31日(木) 04時26分
日赤に「輸血」ウイルス不活化技術導入を指示(読売新聞)
肝炎ウイルスなどに感染した可能性のある輸血用血液約6400本の大半が使用されていた問題で、厚生労働省は30日、日本赤十字社に対し、輸血用血液に含まれるウイルスや細菌の感染力を失わせる「不活化」技術の早期導入を検討するよう指示した。
不活化を導入すれば、献血時の検査ですり抜けが起きても、感染の危険性はほとんどなくなる。日本は欧米に比べ、不活化導入への取り組みの遅れが、従来から指摘されていた。
不活化は、輸血用血液に様々な薬剤を加えるなどの化学処理を行い、ウイルスなどの感染力を奪う。欧米では1990年代から第1世代の技術が導入され、現在は、より優れた第2世代への移行に向け最終段階の臨床試験が行われている。
しかし日赤では、第1世代の技術さえ実用化していない。第2世代の研究も行ってはいるが、臨床試験開始のめどは立っておらず、実際の導入は早くて数年先と考えられる。このため、同省は不活化導入に先立ち、すり抜けの可能性判明後の回収を目的とする輸血用血液の一時保管の実施も求めた。
一方、同省は日本医師会などを通じ、全国の医療機関に、問題の血液を輸血された患者に、感染の危険性を3段階に分けて説明し、感染の有無を調べる検査を徹底するように通知した。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030731-00000001-yom-soci