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▽若い男性が狙い
「日本では若者が重要なターゲット。25歳前後の若者が、高い価格帯でもスーツなどを買っている。成長が望める」
クリスチャン・ディオールが、一部定番商品の平均10%値上げを発表した17日、来日したフランス本社のシドニー・トレダノ社長は、従来の女性客に加え、若い男性層のブランド志向が、今後の同社の成長を支えると強調した。その口調は、値上げによる消費者離れの懸念とは無縁だった。
同社は、日本での売上高を公表していないが、世界全体の約2割を占めており「06年までに、倍増させる。07年には300億円を超えるだろう」(トレダノ社長)と強気だ。
▽世界最大店舗
値上げは、トップの売り上げを誇るルイ・ヴィトンが既に実施。セリーヌも8月1日から革製品全般について平均5%の価格改定を行う予定だ。
「もともと高価なもので、消費者は価格よりも『物』で買っている。値上げ直後の一時的な落ち込みはあっても、長い期間で見れば業績に響かない」(業界関係者)との読みもあるようだ。
「ブランド戦争」最前線の東京・銀座では、各社の旗艦店が大通りに面した超一等地に進出。カルティエは19日、世界最大の店舗をオープン。今年に入ってからでもプラダ、フェラガモが出店し、来年以降も計画がめじろ押し。大阪・心斎橋にも、04年にディオールが出店予定だ。
▽勝ち組、負け組
しかし、華やかな出店攻勢の陰で「昨年の後半から、有力ブランドからも不況の影響を実感する声が出てきた」(矢野経済研究所)。
同研究所の調査では、02年に前年比5.5%減の1兆2578億円となった市場規模は、今年さらに縮小する見込みで「ここ20年間で最も厳しい状況に直面している」と分析する。
市場では「勝ち組」と「負け組」が鮮明化しつつある。イタリアのトラサルディーが、業績不振から店舗閉鎖に追い込まれたほか「ここ数年ブーム的に伸びたブランドは、勢いがなくなってきた」(業界関係者)との指摘も出始めた。強気の経営と縮小する市場。ブランドビジネスは正念場を迎える。
ZAKZAK 2003/07/30