2003年07月30日(水) 08時38分
FBI、ネット電話傍受のための新規則提案(ZDNet)
インターネット電話は急速に米国の安全を脅かす存在になっており、警察がこれを傍受するための新規則を設けて対応する必要があるとする提案を、米連邦捜査局(FBI)が今月米連邦通信委員会(FCC)に提出していたことが明らかになった。
FBIのElectronic Surveillance Technology Sectionの担当官は過去3週間で少なくとも2回、FCCの高官と面会し、インターネット傍受のための新規則提案について働きかけを行った。FBIが起草したこの計画は、ブロードバンド提供企業に対し、もっと効率的で標準化された監視設備の提供を強いる内容となっており、ケーブルモデムとDSLサービス提供企業の運営方法を大幅に変えてしまう可能性がある。
7月10日に行われたFCCとの会談でFBIが準備した資料では、テロリストがインターネット経由で電話をかけることで、合法的な傍受ができなくなる可能性があるとして、新規則の必要性を説いている。「ブロードバンドネットワークはいずれナローバンドネットワークに取って代わるかもしれない。このトレンドによって、テロリスト、スパイ、犯罪者が合法的な電子監視を逃れる機会は拡大している」と同資料は記している。
FCCが検討している提案では、ケーブルモデムあるいはDSLサービスを住宅や企業向けに提供している企業は、警察による顧客監視用の中央ハブ確立を定めた連邦当局の規則に従うことを義務付けられる。これに対して人権活動家などからは、プライバシー侵害を懸念する声が上がっており、そのようなハブの存在は、電子メールやWeb閲覧、インスタントメッセージといったほかのインターネットによる通信手段に対する監視の拡大にもつながると指摘している。(ZDNet)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030730-00000008-zdn-sci