悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年07月30日(水) 00時12分

輸血用血液6419本がウイルス感染の可能性 日赤調査朝日新聞

 献血時の検査で肝炎ウイルスなどが陽性と判明した人の過去の献血血液が、検査をすり抜けていた可能性が指摘されている問題で、献血歴の遡及(そきゅう)調査をしていた日本赤十字社は29日、調査結果を厚生労働省に報告した。昨年6月から今年7月までの献血者を対象にさかのぼって調べたところ、すり抜けの可能性のある血液を原料にした輸血用血液は、95年から03年までに6419本に上り、ほとんどがすでに使用されていた。厚労省は、投与された患者へ情報提供するとともに、感染の有無を調べるよう日赤や医療機関に求めた。

 日赤によると、遡及調査は、02年6月13日から今年7月21日までの献血時の検査でB型、C型肝炎ウイルス、エイズウイルス、梅毒が陽性になり、感染が疑われた12万6097人(献血者全体の2.1%相当)を対象に実施した。このうち、過去に献血歴があり、前回の検査などが陰性だった献血は7091件あった。

 現在の検査方法では、感染直後でウイルスを検出できないことがあるため、のちに陽性と判明した人の過去の献血が、ウイルスに感染したまますり抜けた可能性を否定できない。

 今回の7091件の献血からは、ウイルスを不活化・除去処理される血漿(けっしょう)分画製剤のほか、その処理ができない輸血用血液の製品6419本(全血65本、赤血球3756本、血小板518本、血漿2080本)が作られていた。有効期間が採血後72時間の血小板や、21日間の全血と赤血球は大半が使われたとみられる。回収できたのは、有効期間が1年ある血漿の13本だけだった。

 日赤は今後、医療機関を通じて、投与された患者を特定し、「感染の可能性がある」と情報提供する。さらに、早期に検査を受けるよう呼びかける。その際、医療保険が適用されるとしている。

 一方、保管がきく血漿については「欧州のように出荷前4〜6カ月の保管を義務づけていれば、陽性判明時に回収率が上がったはず」という指摘がある。今回の調査で、陽性と判明してから1年以内の分に限ってみると、すり抜けの可能性のある血漿は523本あった。このため、厚労省は日赤に対し、今後できる限り血漿を保管するよう、指導する。(07/29 21:56)

http://www.asahi.com/national/update/0729/034.html