2003年07月29日(火) 00時00分
宇都宮・横川西小 児童にPCBかかる(朝日新聞・)
宇都宮市の小学校で、蛍光灯から有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)が液漏れし、下にいた児童に数滴かかったことから調査したところ、ほかに同様の部品が82台あることが分かり、市は28日までに夏休み中に撤去することを決めた。市は89年までの全校調査でPCB入り部品はすべて撤去済みとしていた。今回の事態を重く受け止め、調査に見落としがあったとして市内の全小中学校で再調査することにした。市教委によると、児童の健康に影響は出ていないという。
PCBの液漏れがあったのは、宇都宮市立横川西小学校(坂口智章校長、児童数545人)の低学年教室。15日に天井の蛍光灯から異臭のする液が腕に当たったことを児童が教師に話したことから、市教委へ報告があった。
市設備課によると、蛍光灯の裏側にある「安定器」という部品から、PCBが漏れていることが確認された。緊急にほかの蛍光灯を調べた結果、406台中、82台で同部品が見つかった。
PCBは、食用油に混入したカネミ油症事件で認定患者だけでも1871人に皮膚障害などを起こし、危険性が指摘されて72年に生産中止となった。蛍光灯の部品に多用されていたことから、市は89年までに全小中学校で調査し、すべて撤去、交換したとしていた。
しかし当時の調査資料は散逸し、横川西小で見逃しが生じた原因の解明は困難。同校では増築を繰り返したため、その過程で新品に交換済みと思いこんだ可能性もあるという。山口昭二課長は「調査方法や資料管理に落ち度があり、申し訳ない。再調査ではチェックを厳重にする」と話した。
(7/29)
http://mytown.asahi.com/tochigi/news02.asp?kiji=3535
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