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宮城県北部の今回の地震の約3週間前に、仙台市内の大気中の電磁波の変化から、電気通信大大学院生(電子工学)の犬伏裕之さん(43)=東京都府中市=が「8月下旬までに宮城県沖を中心とした地域でマグニチュード(M)7クラスの大地震が起きる」と予測していた。電磁波と地震発生の関連については、学会でも以前から研究テーマになっているが、メカニズムに未解明な点が多く、専門家らは「今後の研究課題だ」とみている。
犬伏さんは、AMラジオの周波数帯の電磁波のノイズが、過去の地震で発生前に急増することなどに着目し、「地震発生前に起きる岩石の微小破壊で、大気中の電磁波に影響が出る」との仮説を立て研究を続けている。
「異変」があったのは、6月10日。東北から九州までの20カ所に設置した電磁波探知機のうち、仙台市内の装置のカウント数が、それまでの15倍以上にはね上がった。このため、過去のデータを基に、宮城県の牡鹿半島沖を中心とした南北150キロ、東西190キロのエリア内で、同21日から8月25日までに3割の確率でM7.1〜7.9の地震が起きると予測し、7月初めに仙台市に伝えていた。
26日朝、宮城県北部で震度6強を記録した地震は、エリア内の北西部で発生しており、M6・2と小さかったほかは合致していた。犬伏さんは「規模などが違い、今回の地震が予測したものである可能性は半分程度。今後、大地震が起きる可能性も否定できない」と分析する。
同市の谷澤晋都市整備局長は「(犬伏さんの資料は)正式に学会から提出されたものではなく、個人的研究の範囲内にとどまるものと判断した。それを基に市が対応することは難しい」と話している。【宮川裕章、根本毅】
電磁波と地震に注目し、「大地震の前兆 こんな現象が危ない」の著書がある大阪大大学院の池谷元伺教授(宇宙地球科学)の話 地震と電磁波発生に関連性があるのは間違いないが、理論的にははっきりしない部分がある。今回の予知を妄信することは危険だが、今後も注意していくことは必要だ。
前地震予知連会長の茂木清夫・東大名誉教授の話 阪神大震災を含め、国内外の地震で、発生前に電磁波に変化があったとの報告はあり、今回も前兆的変化であった可能性がある。幅広いデータを集め、地震予知の信頼性を上げることにつながれば結構なことだ。
[毎日新聞7月28日] ( 2003-07-28-03:11 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030728k0000m040122000c.html