2003年07月24日(木) 00時00分
輸入ウナギ安全マーク挫折 中国産から抗菌剤検出続き 制度始動の業界直撃 (中日新聞)
中国産ウナギの加工品から合成抗菌剤が検出された問題で、業界団体の日本鰻(うなぎ)輸入組合が3月から本格的にスタートさせたばかりの自主的な「安全認証制度」が、約1カ月で中断に追い込まれていたことが24日、分かった。
検出されたのが想定外の抗菌剤だったためで、27日の「土用の丑(うし)の日」を目前にした業界は、対応に苦慮している。
認証制度が生まれたのは、昨年「中国産から水銀が検出された」と一部で報道されるなど、輸入品の安全性に対する不安が広がったことがきっかけ。信頼回復のため、業界独自の取り組みとして3月から本格始動した。
合成抗菌剤や水銀などについて、中国の加工場段階と輸入時で自主検査したり工場の現地調査を実施したりするなどして安全性を調べ、基準をクリアした商品に安全認証シールを張る仕組みだ。
しかし3月、検疫所によるモニタリング検査で、中国産ウナギの白焼きから、養殖段階で使用される抗菌剤エンロフロキサシンを相次いで検出。連絡を受けた組合の自主検査で4月中旬、かば焼きからも検出された。
輸入組合はちょうどキャンペーンに乗り出した直後だったが、検出を考えていない抗菌剤だったため、制度そのものを中断。厚生労働省が今月3日に全輸入品のエンロフロキサシン検査を義務付けると、さらに検出が広がり、動くに動けない状態が続いている。
森山喬司理事長は「検査対象の薬品を増やすには限界がある。根本的な解決には養殖池の安全管理の徹底が必要で、今後取り組んでいきたい」と話している。
http://www.chunichi.co.jp/00/detail/20030724/fls_____detail__012.shtml