2003年07月23日(水) 00時00分
栃木和牛に高評価(朝日新聞・)
東京都中央卸売市場食肉市場でこのほど、「第5回全農肉牛枝肉共励会」が開かれ、枝肉審査の和牛去勢肉部門で、鹿沼市の瓦井富高さん(52)が育てた「謙北国」(31カ月)が、全国2位にあたる「最優秀賞」を受賞した。「栃木和牛」の評価は全体的に高く、肥育農家らはBSE(牛海綿状脳症)で失った信頼回復に自信をみせた。
「謙北国」には、1キロあたり5170円の高値がつき、牛枝肉格付けでの最高クラスの「A5」の評価を受けた。
「どれだけ大きくなるか、どれだけサシが入るか。その牛の持っている能力を最大限引き出してあげられた時、この仕事をやって良かったと心から思う」
瓦井さんは、「謙北国」が地元・鹿沼生まれということもあって、愛着もひとしおだという。
3年前にも全国一位の名誉賞を受賞した瓦井さんだが、腸管出血性大腸菌O(オー)157やBSE騒動による打撃も受けた。「肉牛にBSEはないと言っても消費者はイメージだけで牛肉を避ける。子牛で買った時の半値で売れれば良い方だった。あの時は本当につらかった」という。
共励会では、栃木和牛は高い評価を受けた。出品した19頭のうち、12頭が「A5」に格付けされた。売り上げ平均も一頭当たり約124万円でトップクラス。以前はPR不足のせいか、前沢牛など他産地のラベルをはられて販売されることもあったが、一連の牛肉偽装騒動で肉の表示が厳しくなった。これが逆に「栃木和牛」として評価されるきっかけになった。
瓦井さんは「消費者が賢くなり、自分の肉として正当に評価されるようになった」と喜んだ。
(7/23)
http://mytown.asahi.com/tochigi/news02.asp?kiji=3526
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