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外食のハンバーガー業界で、競争の焦点が低価格化から「多様化への対応」に変わりつつある。より高い品質を打ち出したり、客の好みを反映したメニューを作ったりする動きが目立ってきた。長引くデフレで低価格路線も限界を迎える一方、消費者の求めが多様化していることが背景にある。地域の特徴にあわせた店作りなど、多様化にはコストがかさむが、各社とも客をつなぎとめる妙手がほかにないのも現状だ。
全国に約1500店を展開するモスバーガーは23日、従来品と比べて2倍も値が張る1個600円前後の高級ハンバーガー2種類を8月13日から122店で売り出す、と発表した。
「ニッポンのバーガー 匠味(たくみ)」(580円)と「匠味チーズ」(640円)の2品で、肉、パン、タレなど全食材を厳選し、調理に10分以上をかける。客は待つことになるが、価格よりも品質を重視してきた同社にとっては「集大成」ともいえる商品だ。
製造責任者の名前を書いたカードもつける。肉は通常の1.8倍の120グラムで、パンは表面にさくさく感を加えるなど、各店1日10個の限定メニュー。10月には300店まで拡大する方針だ。
モスでは6月から、宅配ピザチェーンと提携して首都圏でハンバーガーの宅配を始めるなど、主力客層である女性のさまざまな求めをくみ取るのに必死だ。
ロッテリアも今月から、16種類の新たな風味のシェーキ名を店頭に掲げる一風変わったキャンペーンを始めた。キムチや焼きいも、枝豆など、客がネットを通じて人気投票をし、1位銘柄を商品化する試みだ。同社は「これまでにない味や面白さも提供しなければ、今の消費者は離れていく」と語る。
安売り戦略の象徴だった「59円ハンバーガー」を今月から80円に値上げした最大手、日本マクドナルドもメニューや店の多様化に活路を求める。今年中に150店で行う計画の既存店の改装は、これまでとは違って地域性をいかすのが特徴だ。
真っ白な外壁が目を引く梅田茶屋町店(大阪)は4月に改装した。若者に人気のインテリアデザイナーの設計でケーキやティーも扱う。店員の制服も同店のオリジナルだ。8月に改装オープンする浅草店(東京)は和風モダンのコンセプトで壁に花火や祭りなどを描いて、地元色を強める。
ゴールドマンサックス証券の河野祥アナリストは「ハンバーガーはもう、価格を下げても集客や売り上げの増加にはつながりにくい。多様化はチェーン展開の利点をいかしにくいが、各社はその戦略をとるしかない」と話している。
(07/23 20:07)