2003年07月22日(火) 15時12分
<女児4人監禁>渋谷に女子高校生スカウト 警視庁、実態調査へ(毎日新聞)
小学生女子児童4人が4日間にわたり監禁された事件で、自殺した吉里弘太郎容疑者(29)と児童を引き合わせたのは女子高校生だった。最近、東京・渋谷では、女子高校生が風俗店や性犯罪に誘うスカウト役を務めるケースが増えており、中高校生に声をかけている。18日夜に一斉補導を行った警視庁は、夏休み期間中も補導を強化する方針で、あわせて「女子高生スカウト」の実態調査を急ぐ。【田中義宏】
若者に人気のファッションセンター「109」。テナントの女性服販売員、ミユキ(23)は約10年前の中学生のころから渋谷に通っている。激しい競争をかいくぐってテナントに就職した。
「中学のころは、渋谷で遊ぶ高校生に憧れていた。4人は今の高校生が着ている服を買うお金が欲しかったんじゃないかな」と事件を振り返り、「10年前と比べて街中には風俗店のスカウトが増えた。私から見ても危ないなと思う場面にでくわす」と言う。
今月中旬、都内の女子高校生、アヤコ(15)とアヤ(15)は、若者でごった返す「ハチ公前広場」にいた。
「金ないよね」とアヤコ。アヤは自分の財布を開けて「マジでないよ、230円だよ」と嘆く。すると、近くで会話を聞いていた高校生ぐらいの少女が巧みに割って入ってきた。「いいバイトがあるんだけど、下着姿で写真撮るだけで2万円。顔は写らないよ」
同じ世代の話を聞くうちに「下着か」「どうしようかなあ」と心が揺れた。少女は強引には勧めない。「今度、電話してね」と名刺を差し出し立ち去った。
数日後に女児4人監禁事件が発覚した。「『掃除のアルバイトだ』って言われたら、間違いなく行ってた。230円しか持ってないのに2万円って言われたんだよ」
中野区の都立女子高校生(15)は、同級生の1人が渋谷でスカウト役をしていたと言う。デートクラブの経営者に「ウリ(売春)をやる子を集めて」と頼まれているといい、この女子高校生も誘われた。断ったが、同級生は「紹介して、現金をもらった」と話したという。
警視庁によると昨年、東京都内で少年・少女が被害者となった児童買春禁止法違反事件の検挙件数は420件で、一昨年を140件上回った。警視庁は、少女が少女を風俗や性犯罪に招き入れる悲劇がさらに増えるとみて、対応に乗り出した。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030722-00001066-mai-soci