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2003年07月19日(土) 11時49分

節電器商法で初の集団提訴、詐欺容疑で刑事告訴も視野に朝日新聞

 「電気代が約3割安くできる」との説明で購入した節電器に効果がないとして、福岡、山口両県などの事業主ら23人が18日、販売会社「アイディック」(東京、任意整理中)と、クレジット契約をした信販4社を相手に、支払い済みの代金約545万円の返還などを求める訴えを福岡地裁に起こした。節電器商法をめぐる集団訴訟は全国で初めて。

 代理人らは詐欺容疑での刑事告訴も視野に、被害対策に乗り出す。弁護団は北海道や宮城、岡山両県などでも結成されている。

 提訴したのは、焼き鳥店やカラオケ店、歯科医などの小規模事業主ら。佐賀、長崎両県の被害者も近く追加提訴する。

 訴えによると、事業主らは01年1月〜今年1月、訪問販売などで「配電盤の近くに取り付けると電気代が2〜4割安くなる」などと説明され、「省電王」という商品名の機器を30万〜120万円のクレジット契約の分割払いなどで購入した。しかし、省電王に省エネ効果はほとんどなかったとしている。

 事業主側は、各地の消費生活センターなどに寄せられた苦情などから、信販会社も節電器商法の違法性を認識できたと主張。代理人の菅藤浩三弁護士は「信販会社も含めた組織ぐるみの詐欺的商法だ」と話している。

 国民生活センターによると、97年ごろから省電王に関する苦情が急増し、昨年は1277件に上った。アイディックは92年の設立で、96年に省電王を開発。今年1月、約20億円の負債を抱えて任意整理に入った。

(07/19 11:20)

http://www.asahi.com/national/update/0719/017.html