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2003年07月17日(木) 03時04分

ブロードバンド推進で地方に無線ネット網読売新聞

 総務省は16日、都市に比べて遅れている地方のブロードバンド(高速大容量通信)普及を推進するため、高周波数帯の電波の“空き”を活用し、自治体が無線による超高速インターネット通信網の整備ができるようにする方針を固めた。

 都市と地方の情報格差(デジタル・ディバイド)を解消するのが狙い。高周波数帯の電波を申請があった自治体に割り当てられるようにする省令改正を今秋にも行い、今年度中にも自治体が導入できるようにする。

 総務省が自治体に割り当てるのは、光ファイバー並みの超高速通信ができる18ギガ・ヘルツの高周波数帯だ。これまでNTTが、東京—大阪間など長距離通信の中継回線として使っていたが、回線の光ファイバー化が進み、周波数帯に空きが出て、自治体向けに活用できるようになった。総務省は、高周波数帯の電波を割り当てた自治体が、無線通信網を整備するよう促す。

 ADSL(非対称デジタル加入者線)や光ファイバーなどのブロードバンドの利用者数は5月末に全国で1000万回線を突破したが、ADSLは電話局から6—7キロ程度以上距離が離れると使えなくなる弱点があり、光ファイバー網も各家庭まで回線を敷設する費用が高いため、通信会社は人口が集中した都市部以外では整備を進めていない。このため、過疎地域などの住民は、ブロードバンドを利用できないのが現状だ。

 無線通信なら、光ファイバー網の整備に比べて数十分の一以下の費用で、光ファイバー網並みの最大通信速度毎秒156メガ・ビットの高速通信網が整備できる。

 具体的には、自治体が、町村役場や公民館などにパラボラアンテナなどを設置して超高速のネット網を構築、数キロ以上離れて点在する個人宅でも、ベランダに平面アンテナ(縦横各約20センチ)を設置するだけで、同10メガ・ビット以上の高速ネット接続ができるようになる仕組みを想定している。ただ、直進性の強い電波を使うため、猛烈な雨が降った場合などには通信障害が生じかねない弱点もある。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030717-00000001-yom-bus_all