2003年07月16日(水) 17時19分
HIV感染血液、すり抜け 日赤の検査、使用されず(共同通信)
輸血用製剤の一部が肝炎ウイルスなどに感染している恐れがある問題で、エイズウイルス(HIV)感染者の献血した血液が日赤の高精度検査で「陰性」となり、適合血液として処理された例があったことが16日、分かった。
日赤が1999年、HIVや肝炎ウイルスの遺伝子の一部を増幅して調べる核酸増幅検査(NAT)を導入して以来、HIVのすり抜けが確認されたのは初めて。その血液は保管中に回収され、患者には使用されていない。
日赤が今年1月、主催したシンポジウムで報告した。それによると、この献血者は昨年、献血時のHIV抗体検査で陽性の疑いがあるとされ、2次検査のNATで感染が確定した。だが、その2週間前に献血した際は抗体検査、NATとも陰性で、適合血液とされていたことが分かった。
日赤は「世界最高水準のNAT導入以来、輸血によるHIV感染は一例もない」としている。しかし、NATでも感染直後はウイルスが微量で検出できない空白期間(HIVは11日間)があり、その間にすり抜けた感染血液が患者に使用される恐れがある。(共同通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030716-00000107-kyodo-soci