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東電管内の約1500の主要変電所には、配電を止める順序があらかじめ決められている。電力は首都圏優先。関係者は情報不足と、東京を守るため停電するのは地方という「不平等の図式」に憤る。
▽交通事故を防げ
「どこを落とすのか優先順位が分かれば対策も取れるのだが」と話すのは信号対策に頭を悩ます埼玉県警幹部だ。順位の情報はないという。
停電時に非常用の発電機でカバーできる信号機は、東海地震対策の進む静岡県東部などを除き、各県ともごく一部。神奈川県警は手信号で整理するにも警察官だけでは足りないと、交通安全協会にボランティアを依頼した。
栃木県警の佐藤国広交通規制課次長は「ドライバーも手信号には不慣れ」と心配する。
▽ライフラインに不安
東京都以外は、県内に複数の水道事業体を抱えるところが多い。埼玉県水道部では「停電すれば山間部の簡易水道事業体では断水が出るのでは」と話す。
エレベーターは停電時にバッテリーで最寄りの階まで運行する装置があるが、普及は全体の2、3割。消防関係者は「もし高齢者や子供が猛暑のエレベーターに閉じ込められたら…」と不安な表情だ。「イベント開催中に停電したらと思うとぞっとする」と、さいたまスーパーアリーナの関係者。
東電に電気を売る日本原電東海第2発電所(東海村)では「送電先の東電変電所にトラブルがあれば、原発への負荷がかかり、緊急停止しなければならない」と話す。
▽食と医療にも影響
停電は食にも影響しそうだ。茨城県保健福祉部では「冷凍ケースが停電に遭ったら、すぐに食べるよう指導する。食中毒予防の啓発をしなければ」と心配顔。大型スーパーの担当者は「対策会議は開いたけれど…」と、どうしようもないという表情だ。
各医療機関は自家発電装置をチェックする。
山梨大病院では「自家発電で賄える電力は限られる。発電装置の仮設を検討しているが、本当に停電するのか。情報不足だ」と不満を隠さない。
「東京優先」の情報に、群馬県病院局の淡島静男総務課長は「迷惑という意味では東京も地方も同じで納得しがたい気持ちだ」と話し、静岡県のエネルギー対策室は「そんなことは許されない」と憤る。
ZAKZAK 2003/07/15