2003年07月15日(火) 13時56分
キャッチセールスの被害が高額傾向に 熊本市繁華街(熊本日日新聞)
 キャッチセールスに注意を呼び掛ける看板=熊本市下通アーケード | | |
熊本市の繁華街で声をかけて商品などの契約を結ばせる「キャッチセールス」の苦情が後を絶たない。下通繁栄会はアーケード内の放送で買い物客に注意を呼び掛けているが、被害は高額傾向になっているという。
県消費生活センターによると、同センターに寄せられたキャッチセールスの苦情の大半は二十代女性から。内容は、エステ、健康食品が最も多いが、絵画、布団、モデルの登録料など幅広い。
一九九九(平成十一)—二〇〇一年度は六十〜七十件で推移。〇二年度は二十五件、本年度四、五月が計五件と減少しているが、同センターの末冨泰正次長は「正確な統計は取っていないが、被害金額が確実に高額になっている」と話す。
キャッチセールスは通信販売、電話勧誘販売などと並んで、特定商取引法(旧訪問販売法)で規制されており、(1)契約書面の交付(2)販売者の氏名の明示(3)クーリングオフの適用などが義務づけられている。
しかし、実際には契約時に契約書面を読まない人が多く、クーリングオフの適用期間(八日間)を過ぎてしまうことが多いという。
末冨次長は、密室での商談で情報が偏り消費者が冷静な判断をできないことが多いと指摘。本当に欲しいものか、支払い能力があるかを見極めて買うよう、呼び掛けている。
熊本市の女性会社員(21)は、街で「やせる方法がある」と呼び止められ、健康食品七十万円を買えば無料でエステを受けられるとして、信販契約で購入。百七十万円のアクセサリーを月々数万円払う契約で購入した女性会社員(24)もいた。いずれも支払えなくなり「解約できるか」と同センターに相談してきた。
下通繁栄会は買い物客から「セールスがしつこい。やめさせて」との苦情が相次いだため、一九九八年から注意を呼び掛ける放送を流している。
同会は「最近はお年寄りに高額の布団を売り付けるキャッチセールスがあったと聞いている。十分注意してほしい」と話している。
http://kumanichi.com/news/local/main/200307/20030715000230.htm