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▽押し貸し
足踏み式のミシン、待ち針が刺さったままの手縫いのワンピース…。梅雨空の蒸し暑い8日、夫婦が住んでいた4畳半と6畳2間の公営住宅から遺品が運び出された。「ぜいたくして遊んでいたわけではないのに。悪い業者に捕まったんだ」。妻(69)の次兄(78)はこぶしを握り締めた。
妻と夫の清掃員(61)、妻の長兄(81)がJR関西線の踏切に飛び込んだのは6月14日未明。「2万円借りて15万円も払った。毎晩(業者の)デンワにおびえています」。無理に勧誘し口座に金を振り込んでは取り立てる「押し貸し」の被害が明らかになってきた。
▽ひとごとじゃない
八尾市が10日、市民を対象に開いた公開講座には約60人が詰め掛け、業者の手口や被害実態の説明に聞き入った。ある主婦(56)は「街角の看板でヤミ金への抵抗感が薄らいでいた。被害はひとごとじゃない」と話す。
心中は誰にでも身近なヤミ金の実態を印象付けた。被害者相談に当たってきた同市の司法書士(32)は「最近は普通に生活していてもヤミ金に引っ掛かる。まず犯罪被害に遭っていると自覚しなければ」と指摘する。
「大阪クレジット・サラ金被害者の会」には心中以後、全国から1日約150本以上の電話が入る。ほとんどが相談窓口に関する問い合わせだ。
▽連携強化へ
「縦割りを改めて積極的にバックアップしなければ」。同市産業振興室の大岡秀樹係長は3日に催したヤミ金相談会で、アドバイスを受けた被害者の表情がぱっと明るくなったのに驚いた。
市は警察や府、被害者団体と綿密に情報交換することを確認。定期的に相談会を催すことを決めた。7月中には警告チラシを全戸配布する。
罰則強化など関連の改正法案が今国会で成立する。被害者支援の体制づくりが急務となっている各地の自治体からは、八尾市に問い合わせが相次いでいる。 (共同通信)
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2003jul/13/K20030713MKB1O100000013.html