2003年07月11日(金) 21時29分
<長崎男児殺害>別人の顔写真出回る 携帯電話のメールで転送(毎日新聞)
長崎市の幼児誘拐殺人事件で、補導された同市内の少年(12)とは別人の顔写真が携帯電話のメールで出回っている。少年法に則し、捜査当局などの公的機関が本人が特定できる情報を決して明かしていない中で、大人も子供も根拠や真偽が不明なまま写真を友人らに送っている。
写真は9日ごろからインターネットの掲示板などで流れた。最初の発信者や流出の経緯は不明だが、今回の事件の少年とは全くの別人。掲示板からは削除されたが、「犯人」として携帯電話のメールで次々に転送されている。受け取った人が複数の知人に転送する形でねずみ算式に増えた。やりとりは中高生など若者が大半だが、大人の間でも送受信されている。
10日夜に友人からメールで写真を受け取った長崎市内の高校2年の男子生徒(16)は「写真は学校で友だちに見せた」と信じて疑わない。同市内の女子高生(15)も「悪いことしたんだから、名前だって公開したらいいと思う」。写真については「確かに根拠はない。もし別人だったら、いじめになる」と話した。
別の女子高生(16)は父親からのメールで写真を受け取った。「この子なんだと思った。根拠? そんなこと考えなかった」。だが友だちには転送しなかった。「プライバシーがあるでしょ」
法務省人権擁護局調査救済課は、この事態について「人権侵害の恐れが高いが、通信の秘密に触れる恐れもあり、法務省として有効な手立てがあるかどうか。関係省庁と検討しないといけないだろう」と話している。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030712-00000106-mai-soci