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鴻池担当相はこの日の会見で、事件について「親の責任だ」と強調。「(報道では)嘆き悲しんでいる家族ばかり映されて、犯罪者の親が映されていない。親や担当の先生、校長は全部前に出てくるべきだ」と述べた。
さらに「勧善懲悪や節度の思想が戦後教育であまりにも欠落している。そういう戦後教育を受けた人がパパやママになっている」と指摘。「こんなことをしたらえらいことになると、親に自覚させるためには、罪を犯した子供の親は全部引きずり出すべきだと思っている」などと語った。
鴻池担当相はこの後、記者団に対し「加害者の人権を擁護する必要はない。子供が無理なら親が出てくるべき」と述べた。
鴻池担当相は政府の青少年育成推進本部副本部長を務めており、この日の閣僚懇談会では、小泉首相から再発防止策などを検討するよう指示されたばかり。それだけに、自民党内などには「勇み足発言だが、鴻池さんが言いたかったことは、なにより加害者少年の親の責任が大きいということだ」(自民党若手)との同情論も出るが、各方面からは批判が噴出。
評論家の塩田丸男氏は「今回の少年の罪は問うべきだと思うが、『親を打ち首にせよ』なんて発言は無茶苦茶で論外。よくそんな人が大臣が務まるものだ。彼は財閥の御曹司。甘やかされて育ってきたものだから、世の中の苦労を知らずにそのまま議員になったのだろう。それに、『市中引き回し』なんて古くさい言葉を使っているところなど時代錯誤も甚だしい」と一刀両断。
少年の非行事実の通告を受けた長崎県中央児童相談所の川原ゆかり所長も一部マスコミの取材に対してこう批判した。
「見せしめの制裁からは恐怖以外のなにも生まず、(鴻池氏の発言は)魔女狩りのようなもので、体が震える」
あまりの批判の嵐に鴻池担当相はその後、「お騒がせした。これからは『打ち首』は使わない。刑法でできないことは分かっているし、僕は勧善懲悪の東映映画が好きなので、例え話で話しただけ。水戸黄門がいまだにはやっているのは、いいことをどんどん勧め、悪いことを懲らしめるからだ」などと釈明したが、今後も大きな議論を呼びそうだ。
ZAKZAK 2003/07/11