2003年07月09日(水) 00時41分
P2P で何が変わるのか:P2P コラボレーションツール——その2(japan.internet.com)
サーバー型のグループウェアと比較した場合、P2P コラボレーションツールには以下のような優位性があります。
■サーバー不要で情報共有を実現できる
これまでの P2P アプリケーションでもたびたび触れたように、P2P の技術を使用すると高価なサーバーを購入する必要がありません。
■オフラインでも情報が活用できる
P2P コラボレーションツールでは、サーバーではなく自分のパソコンに情報を保管するため、いつでも情報を活用できるのです。
■組織の壁を意識せずに情報共有が実現できる
サーバー型の情報共有と異なり、パソコン同士で情報交換を行うため、ネットワークのセグメントやファイヤーウォールで区切られた組織の壁を越え、情報共有を手軽に実現することができます。
簡単にまとめると、だれでも、いつでも、だれとでも、情報を共有できるアプリケーションということです。
こういった P2P コラボレーションツールの特徴を、皆さんはどう考えられますか。「別に自分には関係ない特徴」でしょうか? それとも、「便利そうな特徴」でしょうか?
P2P コラボレーションツールが「今」注目を浴びているのには、理由があります。インターネットの普及によって、ビジネスのあり方が大きく変わってきているからです。
一昔前、仕事は組織に対し、かなり閉じた性質を持っていました。自分の部署で決まった人とやり取りをしていれば、確実に成果も上がり企業も潤っていた時代でした。そのような時代は、情報のやり取りやコミュニケーションの幅も狭く、上司や一部の同僚など、固定的な業務の流れですんでいました。
しかし、いまや業務の流れは根本から変わってしまっています。このコラムを読んでいる皆さんの企業も、おそらく当時とは全く様変わりしていることと思います。
IT 業界ではすでに、複数の企業が共同でプロジェクトを実施するのは日常茶飯事です。一人の担当者が複数のプロジェクトに参加することもあれば、プロジェクトの体制やメンバーの変更も頻繁に発生します。
IT 業界以外でも、企業を超えたコラボレーションはますます増えてきています。日産自動車のゴーン社長が推進した組織横断型プロジェクトのような流れもあれば、NPO、NGO や SOHO など明確な形をもたない組織も増えています。
P2P コラボレーションツールは、このビジネス環境の大きな変化の流れに対応したアプリケーションとして、注目されているのです。
この
コラムの最初 で P2P とは Peer to Peer の略だと紹介しましたが、最近では Person to Person と捉えている人も増えています。つまり、個人を中心とした情報共有・情報交換を実現する技術だと考えているのです。
次回以降のコラムでは、P2P コラボレーションツールの具体的な利用シーンを中心に、より詳細な P2P の技術の仕組みを紹介していきます。
(執筆:徳力 基彦)
記事提供:
アリエル・ネットワーク株式会社
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