2003年07月08日(火) 00時00分
産廃不法投棄相次ぐ 巧妙化する手口(朝日新聞・)
産業廃棄物の不法投棄事件が、県内で相次いでいる。以前は山中などにそのまま投棄される例が多かったが、最近では手口が巧妙化。「埋め立て工事」や「肥料製造」など様々な名目をつけて不法投棄している例もある。県警は摘発強化のため、今年度から取締本部を設置した。
県警によると、最近摘発された業者らのケースでは、自社の敷地内、または管理地に不法投棄しているケースが多いという。「保管している」言い逃れるために、自社の敷地などに投棄する業者が増えているのではないか、と県警では見ている。
隠蔽(いんぺい)工作も巧妙化している。若柳町の伊豆沼沿岸にコンクリート片を不法投棄したとして、県警に逮捕された石越町の建材業者ら3人は、「宅地造成地の地盤補強のため」との名目で、コンクリート片を土中に埋めていた。
また、先月30日に強制捜査を受けた仙台市内の建物解体業者は、「木くずを腐らせて堆肥(たいひ)をつくる」との名目で、不法投棄をしていた疑いが強いという。
県に堆肥製造の届け出をしてはいたものの、実際には木くずを破砕し、屋内で発酵させるなどの手順を踏んでいなかったという。破砕されない木くずは、他のごみと一緒になって屋外にうずたかく積まれていた。
業者側は「木くずは堆肥の原料で、汚泥は発酵促進剤だった」など話しているというが、県警では「県に届け出までして不法投棄を隠そうとした悪質な手口だ」として捜査を進めている。
県警では「ふるさと宮城の環境を守る産廃NO作戦本部」を設け、取り締まりの強化に乗り出している。生活環境課では、環境犯罪対策係をこれまでの4人から8人に倍増させたほか、県と仙台市に警察官を派遣。連携を強化して情報の共有化を進めている。毎月数回、ヘリコプターで空からのパトロールも実施したり、河川や森林の関係者に「不法投棄監視モニター」になってもらうなど、早期の発見にも努めている。
福島県では、山中を不審なダンプカー数台が走っていくのを見つけた住民からの通報で、不法投棄の容疑者を現行犯逮捕したこともあった。県警は「山中で変なにおいがしたり、重機で掘っているところを見つけたりしたら、すぐ通報して欲しい」と呼びかけている。
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http://mytown.asahi.com/miyagi/news02.asp?kiji=4299
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