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2003年07月07日(月) 05時27分

アイディック 節電効果最大10% 誇大広告明確に河北新報

 全国で節電器を取り付けた消費者から「効果が出ない」との苦情が相次いでいる省エネ機器販売会社「アイディック」(東京)の節電器販売問題で、同社の節電器を製造していたメーカーの担当者が6日までの取材に対し「節電効果は最大で10%程度だった」と証言した。アイディックは「電気代を3—4割節約できる」と売り込みを図っており、誇大広告だったことが明確になった。

 宮城県などでは現在も、同社の元社員らが別会社を名乗って節電器の販売を続けており、「電気代を6—7割減らせる」と宣伝するケースも確認されている。消費者相談機関では「過度な節電効果をうたう会社は詐欺とみて注意して」と呼び掛けている。

 アイディックは複数のメーカーに節電器を製造してもらい、飲食店経営者らの個人事業者向けに販売していた。うちメーカー1社は1998年、アイディックから「電力容量の大きい事業者向けの節電器を製造してほしい」と依頼され、製造を始めたという。

 メーカーによると、電力会社は電気を送る際、送電線の末端でも定められた電圧を維持できるようにするため、根元では電圧を高めにして送電する。この結果、100ボルトの家庭用でも場所によっては105ボルトで送られてくる家庭もある。節電器はこれを100か、100を切る程度に減圧することで節電する仕組みだ。

 同社の担当者は「完成した節電器の効果を試験したが、節約できる電気代は5%から10%前後という結果が出ていた。アイディックには知らせていたが、まったく根拠がない宣伝で販売された」と話す。

 担当者によると、同社には販売直後から、購入した事業者から「3割以上の節電ができると言われたが、宣伝ほどの効果がない」といった苦情が相次いだ。「まったく効果がない」という苦情もあり、調べてみると、消費電力を削減するインバーターがあらかじめ電気系統に設置され、既に節電効果が得られない状況なのに節電器が設置されたケースが多かった。

 メーカーはアイディックに対し、効果を偽らずに販売し、設置場所の状況なども十分に調査するよう何度も要請したが、応じなかったため、2001年春に節電器の製造を断ったという。
 同社はアイディックに対し「節電器のイメージを傷付けた」と憤っている。

http://www.kahoku.co.jp/news/2003/07/20030707t73021.htm