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2003年07月05日(土) 06時23分

JR在来線の橋脚4900本が未補強 計画の3割朝日新聞

 95年の阪神大震災後、旧運輸省(現国土交通省)の通達を受けて、JR3社が実施を決めた在来線のコンクリート製高架橋の耐震補強工事で、整備計画の約30%に当たる4900本の橋脚が未着工であることが4日、分かった。JR東日本、東海、西日本によると、大半は高架下に店舗などが入居している区間で、テナントとの協議が進んでいないためという。

 JR東日本によると、南関東地方や仙台市周辺など過去に大きな地震を起こした活断層近くにある13路線の計1万2500本に、鉄板を巻き付けるなどして補強する計画だったが、このうち3800本が未着工のまま放置されていた。路線別では、総武線1200本▽武蔵野線700本▽中央、常磐、京葉線各500本▽京浜東北線120本——などとなっており、東京都と神奈川県に多いという。

 同社は今月にも社内に対策促進チームを新設し、工事期間中のテナント移転先や休業補償などについて詰める。施工中でも営業できるような工法の検討も始める。

 JR東海は東海道線(愛知・岡崎—岐阜・大垣間)と中央線(名古屋—愛知・大曽根間)で600本、JR西日本も大阪、兵庫、京都の3府県で500本の補強が残っている。両社とも「テナントとの協議が終わったところから順次、工事を進めたい」と話している。

 旧運輸省は95年1月の阪神大震災を受け、同年7月と8月に、ピーク時に1時間あたり片道10本を超す在来線区間で、阪神大震災級の地震があっても高架橋が崩壊しないよう補強工事の施工を鉄道会社に通達。原則5年以内に工事を終えるよう求めていた。

 一方、JR3社の新幹線高架橋でも、テナント入居区間などで耐震補強工事が未着工になっていることが分かっている。3社から報告を受けた国土交通省は4日、東北、上越、東海道、山陽の4新幹線の計6万4600本のうち、今後補強が必要な本数は半数の3万2300本に上ると発表した。3社は新幹線については、09年3月末までに補強を終えるとしている。

     ◇

 ◆JR3社の在来線の耐震化状況 

 運営会社 整備計画本数 未着工本数

JR東日本  12500  3800

JR東海    1500   600

JR西日本   2100   500

 合 計   16100  4900(07/05 06:23)

http://www.asahi.com/national/update/0705/006.html