2003年07月05日(土) 03時03分
ヤミ金ほう助の「名簿屋」、延べ300万人分情報入手(読売新聞)
ヤミ金融グループに多重債務者らの名簿を売り渡した「名簿屋」の出資法違反ほう助事件で、警視庁に逮捕された「三恵データサービス」社長、富山潔容疑者(53)が過去8年間に少なくとも延べ300万人分の個人情報を入手していたことが4日、わかった。
名簿を最新のものに更新するため、多い時には、1か月で6万件もの情報をブローカーから入手し、売りさばいていたという。警視庁では、こうした情報が複数のヤミ金融グループの“営業”を支えたとみて、入手ルートの全容解明を急いでいる。
富山容疑者は、山口組系ヤミ金融グループが違法な高金利で貸し付けることを知りながら、多重債務者約6万人分の名簿をグループ幹部に売り渡したとして、先月16日、出資法違反(高金利)ほう助容疑で逮捕された。
警視庁ヤミ金融特捜本部の調べによると、富山容疑者が「名簿屋」を始めたのは1994年ごろ。名簿を売買するブローカーなどと連絡を取り、多い月には6万件、平均でも3万件の個人情報を毎月入手していた。
名簿ブローカーは全国に100人以上いると言われているが、富山容疑者は主に、「紹介屋」「官報担当」「消費者金融担当」と呼ばれる3種類のブローカー十数人から名簿を入手。「紹介屋」からは多重債務者の名簿を、「官報担当」からは官報に掲載された自己破産者の住所、氏名をパソコンでまとめた名簿を、それぞれ購入していた。
「消費者金融担当」からは、消費者金融の顧客リストとみられる情報を入手した。このリストの掲載者は返済能力が高く、業界では「上客が多い」とされて比較的高く売れたという。また、同業の名簿屋から購入することもあったという。
富山容疑者は、入手した情報のうち、最近2年間分の新しい名簿を一覧表にして印刷したり、シールにしたりして、個人情報1人分当たり数十円から1000円で販売していた。販売先は、山口組系暴力団のヤミ金融グループを中心とした数百店で、これまでの売り上げは2億円に上っていた。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030705-00000101-yom-soci