2003年07月04日(金) 03時13分
債務者リスト 仙台市内1000人分ネットで漏えい(河北新報)
仙台市内の約1000人分の債務者リストが名簿業者を通じて、売買されていたことが3日分かった。個人情報を本人に無断で第三者に提供することを禁じる個人情報保護法案が5月に成立したが、罰則規定の施行まで間があるため、駆け込み需要を狙う名簿業者の暗躍が懸念されている。
名簿を買ったのは「ヤミ金融による被害者の会」の設立を目指している団体。会の関係者によると、インターネットのホームページを見て、都内の名簿業者にリスト購入を申し込み、全国の約1万7000人分を約5000円で買い取った。
6月中旬、この中から仙台市内の債務者約1000人に会への参加を呼び掛ける文書を送った。関係者は「ヤミ金融の被害者を救済するのが目的だが、広告などを使って広くPRするだけの資金力がないので、安い名簿を購入した」と説明している。
会の拠点はまだないが、弁護士や司法書士とも連携する予定で、既に数十件の問い合わせが寄せられているという。しかし、文書が突然送られてきたことを不審に思い、利用している消費者金融に相談を持ち掛けた人もいる。
名簿を販売した都内の業者は「債務者リストは扱っているが、入手ルートは極秘。ただ、ヤミ金融には販売していない」と話している。
個人情報保護法案は、個人情報の漏えいによる権利侵害が多発しているため、情報の保護と利用の両立を目指している。不正な手段で個人情報を入手したり、本人の同意なしで第三者に提供したりすることを禁じた。個人情報を扱う業者の罰則規定は2年以内に施行される。
債務者リストの漏えいは各地で表面化しており、約6万人分のリストをヤミ金融に販売したとして、都内の名簿業者が先月、出資法違反(高金利)ほう助の疑いで逮捕される事件も起きた。
宮城県貸金業協会は「リストを使って債務者にアプローチしているヤミ金融が多く、リストの漏えいは大きな問題」として、会員に名簿管理の徹底を呼び掛ける。
http://www.kahoku.co.jp/news/2003/07/20030704t13022.htm