2003年07月03日(木) 19時37分
無登録農薬問題 風評被害を恐れる農家、全燕産ナス販売を控えるスーパー /新潟(毎日新聞)
JA燕市がナス栽培農家に無登録農薬を販売していた問題が農業関係者の間などに波紋を広げている。JA燕市は1日夜に説明会を開くなど対応に追われた。農家からは風評被害を恐れる声が上がり、スーパーなどでは燕産ナスの販売を控える動きが出始めている。【作田総輝】
JA燕市によると、燕市内の3会場で1日夜、これまでの経過や今後の対応について話し合う集会が開かれた。集会には、ナス農家を中心とした農業関係者約100人が出席。購入農家に限ってナスの出荷を停止させることなど、今後の対応について改めて承認を得た。事前協議を重ねていたため、特に混乱はなかったという。
また、JA燕市は同市内の全農家や市場関係者に向け、謝罪文を送った。2日夕の段階で、問い合わせの電話などはほとんどないという。
しかし一方で、多くの農家は不満を漏らしている。燕市のナス出荷量は年間約225トンで、豊栄市や新潟市などに次いで4番目に多い(01年産青果物生産出荷統計、県調べ)。燕市の特産品として認知されているだけに、ナス農家に限らずほとんどの農家が影響を心配している。
無登録農薬を使っていなかったというあるナス農家は「指導する立場の農協がこんなことをしていては困る。(無登録農薬を)使っていない農家にも被害が出てしまう」と憤る。また、果物を栽培している農家は「昨年も問題になったのに、今年もか、という感じだ」と肩を落とす。さらに関係者の間から「無登録であることを以前から知っていたはずだ」という厳しい指摘も出ている。
スーパーなども素早い対応を取っている。燕市内のあるスーパーは、燕産ナスの販売を当分見送り、店頭には「燕産ナスの販売を中止する」という張り紙を出した。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030703-00000001-mai-l15