2003年07月02日(水) 00時00分
メールで119番 障害者のため5消防本部メールを受信する小型の端末=各務原市消防本部で(朝日新聞・)
耳や会話 不自由なら携帯メールで119番通報 県内の24消防本部のうち、岐阜市など5消防本部が、耳や言葉の不自由な人たちのために、119番通報を携帯電話のメールで受け付けるシステムを導入している。今年度内には、さらに2消防本部も導入する予定だ。まだ実際に使われた例はないが、緊急時の対応が整い始めている。
現場到着まで状況やりとり メール受け付けを県内で最初に始めたのは、02年4月からの岐阜市消防本部。それまで障害のある人には、ファクスによる通報手段しかなく、外出時などには限界があった。しかし、携帯電話の普及でメール交換が日常化し、同市聴覚障害者福祉協会などからも要望があったという。
現在は、ほかに各務原市と可茂消防事務、飛騨消防、中濃消防の各組合がメールで受け付けており、大垣、多治見両市も年度内に実施する。一方で、中津川市などは山間部の電波状態が悪いため、別の方法による受信態勢を模索中。羽島郡は合併問題などもあって、今のところ導入は難しいという。
メール通報は、いずれも各消防本部の管轄地域に居住または勤務している障害がある人が対象で、事前に市役所などに名前や住所などを登録し、メールアドレスを教えてもらうことが必要になる。
利用者は「火災、または救急」「状況」「場所」「名前」などを記述したメールを送信。消防本部に設置された24時間対応の小型端末や携帯電話は、メールが着信するとアラームが鳴る。消防車や救急車が現場に到着するまでに、利用者とメールのやりとりをしながら状況確認ができる。
6月20日から導入した各務原市消防本部は、前日に市内の総合福祉会館で、手話サークル「はにわ会」の会員による送信テストがあった。
女性会員の一人は「少しは安心して外出できるようになった。でも実際の事故などでは慌てていると思う。操作をもっと簡単にして欲しい」。また、男性会員は「定期的にテストを行って欲しい」と要望した。
同市の社会福祉課は、「利用者の意見を聞きながら、より使いやすいシステムづくりをしていきたい」と話している。
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携帯メールで119番を受け付ける消防本部と導入時期 岐阜市 02年4月
可茂消防事務組合 同年11月
中濃消防組合 03年5月
飛騨消防組合 同年6月、高山市のみ
各務原市 同年6月
大垣消防組合 同年8月に予定
多治見市 同年度内に予定
益田広域連合 04年度内に予定
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http://mytown.asahi.com/gifu/news01.asp?kiji=2531
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