2003年07月02日(水) 15時21分
<脱税>無限社長ら18億円で土地購入 不正蓄財発覚逃れか(毎日新聞)
ホンダ系エンジンメーカー「無限」(埼玉県朝霞市)の脱税事件で、隠した所得のうち18億円は複数のペーパーカンパニーなどを経由して、東京都港区内の土地2カ所の購入代金に充てられていたことが関係者らの話で分かった。ともに無限とは直接関係のない企業や個人が所有している。さいたま地検特別刑事部は、無限社長の本田博俊(61)、元監査役の広川則男(60)両容疑者が、脱税マネーで購入した土地の所有権を第三者に移すことで不正蓄財の発覚を逃れようとしたとみて追及している。
関係者によると、2カ所のうち、港区南麻布の土地は約1400平方メートル。無限から「無限ホンダ」、この土地に本田宗一郎記念館を建設する目的で設立された「本田宗一郎スピリッツ(HSSC)」などを経由した13億円が、広川容疑者が実質的に経営する「ヒロ・コーポレーション」に流れた。ヒロ社は00年7月、この資金を含む約26億円で南麻布の土地を購入した。約26億円のうち残る約13億円は本田容疑者の個人口座や本田家の資産管理会社「本田興産」から流れた。
両容疑者はヒロ社の役員ではなく、広川容疑者の友人夫婦が全株を保有している。広川容疑者は土地購入の際、仲介した信託銀行担当者に「本田家の名前が出ると価格が上がってしまうから、出さないように」と指示したという。
一方、港区元麻布の土地は約340平方メートル。無限から、本田容疑者が社長を兼ねる「エムジーエステート」(現ジーイー整理事業社)、HSSCなどを経由して流れた約5億円を使って、広川容疑者が実質的に経営する「ラムジー」が00年3月、購入した。01年2月には、ホンダの元派遣社員で広川容疑者の個人秘書をしている女性に所有権が移り、自宅として使っている。
これらの企業の多くはペーパーカンパニーとみられる。特別刑事部はこれらの企業やさまざまな口座を介して資金を移す複雑な資金操作の実態解明を進めている。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030702-00001119-mai-soci