2003年07月01日(火) 00時00分
ヒ素汚染問題 医療手帳交付申請受付開始(朝日新聞・)
■髪・つめ採取、ヒ素検査 住民、不安な表情 神栖・530カ所井戸水使用 神栖町のヒ素汚染問題で、環境省が決めた医療費や療養費などの受給資格審査のための「医療手帳交付申請受付」が30日から、同町内で始まった。また、高濃度の有機ヒ素化合物が検出された井戸水を使い、体内からも有機ヒ素化合物が検出された住民には、早速医療手帳が手渡された。
今回の申請対象者は、環境基準(1リットル当たり0.01ミリグラム)を上回るヒ素が検出された井戸水を使っていた住民。県のこれまでの調査では約530カ所の井戸水から基準を超えたヒ素を検出しており、関係住民は千人以上に上る。しかし、医療手帳が交付されるのは、このうち、申請に伴う検査で毛髪やつめから有機ヒ素化合物が検出される住民で、これまでの県の検査などでは50人程度と見込まれる。
受け付けは環境省の委託を受けた県が窓口となり、同日午前10時から町総合福祉会館と大野原コミュニティセンターの2カ所で始まった。しかし、事前のPRがなかったこともあって、会場を訪れる住民は少なかった。昼前に訪れた女性は申請とともに髪とつめを採取されると、不安そうな表情で足早に会場を去った。
また、交付が決まっていた住民のうち2家族は、同日午前11時に大野原コミュニティセンターで医療手帳を受け取った。このうち青塚美幸さん(26)は「手帳を受けるということはヒ素による健康被害があることを改めて自ら認めるようで複雑です」と心境を語った。
申請受け付けは今年度いっぱいの予定で、県では1日にもチラシを配ってPRすることにしている。
(7/1)
http://mytown.asahi.com/ibaraki/news02.asp?kiji=5988
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