2003年07月01日(火) 22時40分
<たばこ>発病警告を具体化 表示も正面3分の1に(毎日新聞)
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)のたばこ事業等分科会は1日、肺がんなど喫煙が健康に及ぼす影響を警告する「注意書き」を、たばこの包装の正面と背面それぞれに3割以上の面積で掲載するよう義務付けることを決めた。「注意書き」は、肺がんや胎児の発育障害、受動喫煙など8種類の害をより具体的に明示する内容で、財務省は近く日本たばこ産業などと協議したうえで実施時期を決め、関係省令を改正する。
今回、義務付けられる注意書きは、喫煙の害を(1)直接喫煙(2)妊婦の喫煙(3)受動喫煙(4)依存(5)未成年者の喫煙——の5分野に分類。直接喫煙では、肺がん▽心筋こうそく▽脳卒中▽肺気腫——の4種類を指摘する内容。たとえば、肺がんについては「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります」との警告を掲載しなければならない。
また、妊婦の喫煙、受動喫煙、依存、未成年者の喫煙についても、それぞれ注意書きの内容を定めている。これら5分野8種類のうち、1箱に1、2種類ずつを表示し、喫煙者が年間を通じてすべての注意書きに目を通せるようにする。
日本たばこ産業は「パッケージ表面の大がかりな変更で、商品性に大きな影響を与える。127銘柄すべてのデザインを変える必要があり、前回(90年)の表示変更の際の9カ月より長い準備期間が必要」と話している。
現行のたばこ事業法施行規則は「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」との注意書きを、たばこの包装に見やすく表示するよう定めている。【塚田健太】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030702-00000103-mai-soci