2003年07月01日(火) 09時18分
[海外]低所得者層を圧迫する米図書館のウェブ検閲(BCN)
米国図書館が市民に向けて一般公開しているインターネットアクセスへのウェブ検閲を執行することが、図書館が連邦関係機関から一定の補助金を受け取るための必須条件となっているが、この方針が当局からあらためて支持されたことで、図書館関係者の間で動揺が広がっている。
インターネットアクセスに図書館を利用する米国民は全体の10%にのぼるが、そのほとんどは黒人、ヒスパニック系で占められており、低所得者層にとって図書館でのインターネットアクセスは無くてはならないものになっている。
しかし、最善の避妊方法を模索する若い女性や、人種差別に関するレポートを作成する高校生などにとって、ウェブ検閲が通常の設定で執行されているとこれらのサイトにアクセスすることはできない。
多くの図書館関係者は、この補助金を受け取らない代わりにウェブ検閲の執行状態を自分たちで管理したい意向を表明しているが、財務状態の厳しい地区の図書館、つまり市民にとって一番必要とされている図書館にとって、この補助金を無視することができないという事情が、国民に対する情報アクセスへの不平等化を助長する背景となっている。
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http://www.computernews.com/ (BCN)
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