2003年06月30日(月) 00時00分
値上げ機に嫌煙派? たばこ20円アップたばこ店には予約注文を受け付ける張り紙がある。もっとも、予約はあまり伸びていないようだ(朝日新聞・)
たばこ税の増税で7月1日から、国産たばこの大半が1箱20円値上げされる。値上げのたびに愛煙家は「買いだめ」をしてきた。一部のたばこ店では、そうした動きが出ているものの、今のところあまり目立たず、「いい機会だからやめる」という人も少なくない。嫌煙派が増えているうえ、不況の影響も大きいようだ。
徳島市庄町1丁目の佐藤菓子店では、10日から予約販売を始めたが、申し込んだのは8人だけ。売り上げは普段より2割多い程度という同店の佐藤唯善さん(85)は「お客さんに増税の話をしても、これを機にやめるという人もいて冷めている」と話す。
同市新蔵町3丁目の宮武たばこ店でも予約は7、8人程度。売り上げも横ばいだ。98年12月の値上げでは、実施前の1カ月は前月より2、3割の売り上げ増だった。同店の宮武千代子さんは「どこでも気軽に吸うわけにはいかなくなったからでは。うちの家族でも喫煙するのは主人だけ。家の外で吸うようにしてもらっています」。
一方、繁華街の一角にあるたばこ店では、1週間ほど前から売り上げが伸びた。20日ごろに増税を知らせるチラシを張り出したところ、約20人の予約が入った。24カートン予約した人もいた。まとめ買いをする人も増え、この1週間の売り上げは通常の1・5倍という。同店の女性販売員(65)は「最終日の30日にはたばこが売り切れてしまうのではないか」とうれしい悲鳴を上げている。
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喫煙者はどうするのだろうか。JR徳島駅の喫煙コーナーにいた小松島市の男性会社員(49)は「職場でも喫煙場所を指定されている。人間ドックに入った際にも医者に禁煙を勧められたし、7月からやめる」と話す。受動喫煙の防止を施設管理者に義務づける健康増進法が6月に施行され、勤務先でも禁煙場所が広がったという。
板野郡の警備員の男性(38)も「今でも1カ月のたばこ代が7500円ほど。値段が上がるのなら体にも悪いし、やめようかと思う」。
一方、徳島市の女子大学生(20)はすでに2カートンを購入。「やはり値段が上がったことは大きい。学生だからお金もあまりないし」
増税に批判的な声もある。徳島市の衣料品販売店長の男性(33)は「めんどくさいから買いだめはしない。税金を納めているのだから人の役に立っているとも思うが、喫煙者だけ搾取されているなという感じもする」。
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日本たばこ産業(JT)によると、97年4月の消費税増税に伴う値上げの際、実施1カ月前の国産たばこの需要は、通常の月に比べて3割以上増えた。今月の需要については「値上げ実施の1日前にまとめて購入、という人が続出する可能性もある。様子を見てみないとわからず、同程度を仮定している」という。
ただ今年度では不況や値上げの影響は大きいとして、需要は前年度より約5%減と見込む。
(6/30)
http://mytown.asahi.com/tokushima/news01.asp?kiji=3327
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